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「第55回」 63.EF64-0 電気機関車









(実車)
1960年 EF60で始った直流新性能電機の開発は、平坦線区用のEF65特殊区(碓氷峠越え)用のEF62勾配区用のEF64として完成した。この3機種を「新性能直流電機トリオ」と呼ぶ。
勾配区間用電機の雄 EF64は、一口に言えばEF62から急勾配区用の特殊装備をなくし、必要な改良を加えた上、歯車比を変更して高速性能を向上させた電機である。
重連運転を想定して、総括制御装置貫通扉を備え、客車列車暖房用電動発電機(EG)を持つが、これを搭載しないものも一部ある。
なお本型式から塗色を従来の茶(ぶどう)色一色から青一色(前面クリーム)に変更、以後の直流電機はすべてこの塗色となっている。
当初直流時代の板谷峠越え(福島〜米沢)に使用されたが、その後全機中央本線篠ノ井線に投入された。
初就役から40年以上経過したEF64、新世代電機EH200へのバトンタッチが始ろうとしている。
同じEF64には1980年製造開始したEF64-1000があるが、実質的には両車の間には、同一型式と呼べない程差異があるので、本項ではEF64-1000については記述していない。

(模型)
1976年(昭和51)カツミ模型店発売(完成品のみ)
カツミの完成品のみの発売はEF66に続いてEF64が2台目である。
このEF64最大の特色は、従来のオーソドックな2Motor 2Inside Gear方式とは全く異なった、カツミとして1Motorの新伝導方式を採用したことである。
その概要は床板中央部にねかせた両軸モーターから、ジョイントを経て前後の台車を駆動し、ギヤーユニットプラスチックケースに密閉され分解不可能な構造となっている。
台車に中心ピンはなく、床板に張り重ねた側受式枕梁に挟まって台車が左右に首を振る構造である。
後日談になるが、カツミではこの翌年(1977)、従来通り2Motor 2Inside Gear 方式EF64塗装済みKITを発売している。そしてこの時以後暫くの期間EF64以外のEF65-500EF65-1000EF70等も従来方式の2M塗装済みKITと1M両軸ドライブの新方式完成品の2本建て販売が続けられた。
この情報を若しEF64完成品購入時点で入手していれば、当時の当社の方針に従ってEF64完成品購入を1年遅らせてEF64KITの方を購入していた事だろう。
しかし現在では、このカツミ新駆動方式EF64の購入を悔いてはいない。その理由は次の2点である。

  1. カツミELの駆動方式がInside gear方式100%になるところであったのをEF64の1M新駆動方式参入で比較評価多様性が増えた。
  2. EF64より早くでた天賞堂1M両軸駆動新方式(EF53、EF56)より走行性能が良いので気を良くしている。

最後にEF64単機走行データを記す。
走行電流 0.5A(Headlight×2点灯)、460R通過OK、走行音は低速域でやゝ高いが中高速域では、むしろ電気機関車的うなり音に聞こえて好感がもてる。


’10.08.09 MOVIE、Still追加
EF64-0の本文を記載した時から、走行MOVIEを作成したいが、何を牽引させてら良いか思いあぐねている内に、EF64が最初の任地である直流電化時代の板谷峠(福島〜米沢)越えでキハ82系ディーゼル特急「つばさ」の前補機を務めていた事を思い出した。
幸いな事に当社には未完成のカツミ製キハ82系DC 5輌編成がある。(45・1 キハ82系特急型気動車参照)
屋根上ユニットクーラー等の機器類を急遽装着して、非電装のまま、EF64-0に牽引させ、板谷峠越えDC特急「つばさ」を再現させる事とした。
外観上必要最低限の処置のみで、撮影に挑んだため、画像では未完成の気になる所もあるがご容赦願いたい。
それではMovieStill×6を御覧頂く事とする。















「第56回」 64.EF65-500 電気機関車

左奥のELはカツミ製 EF60-500






Slow走行Movie 撮影時に「はやぶさ」ヘッドマーク取り付け、その時のスチール





(実車)
直流電機の雄EF65とその番代別用途・性能等については既に45・3 EF65-1000 電気機関車で述べている。そこで今回はEF65-500(特にP型)に焦点を当てることにする。
一口に言ってEF65-500ブルー・トレイン用に開発され、期待通り13年間ブルー・トレイン牽引機として活躍した電機である。
P型17輌特急とその回送のみに使用され、間合いで普通列車を牽引する事の無いエリート集団であった。
別の表現をすれば、それだけ過酷な仕様をこなしており、他機種に応援させようにも、それをこなせる高性能機が他に無かった
具体的に見るとEF60-500が牽引していた時はMax Speed 95q/hEF65-500になって間もなく、これが110q/hにアップ、東京〜下関間往復2250q、このような高速ロングランをこなす為、各部の磨耗疲労も激しかった。
空前ブルー・トレイン・ブームの陰にこの様なEF65-500の働きがあった事を忘れてはならない。

(模型)
1977年(昭和52)カツミ発売 塗装済みKIT組立
前項(63 EF64-0電気機関車)で述べた通り、1977年当時、カツミはEF64EF65-500EF65-1000EF70の4型式についてはIM方式(完成品のみ)と2M方式(キット及び完成品)を併売していた。
勿論当社では2M 2Inside Gear従来式KITの購入である。
所でIM両軸Drive方式2M 2Inside Gear方式の比較論であるが、Gear SystemとしてはIM方式の方がより多くの利点が期待される。
しかし当社のIM方式EF64-02M方式EF65-500(何れもカツミ製購入後30年経過)この両車の走行状況比較では2M方式EF65-500軍配が上がる。(特にSlow走行時
そこでEF65-500静かなSlow走行Movieをお目にかける。
勿論安定域にある2M 2Inside Gear方式新開発直後1M両軸Drive方式の比較という点を考慮しておく必要がある。
今回で東海道山陽本線ブルー・トレイン牽引機EF60-500EF65-1000EF66、EF65-500が出揃ったことになるので夫々ヘッドマーク付けた晴れ姿を掲載して本稿を終了する。(EF65-1000のみ未開封・未組立のまま冬眠中


カツミ製 Bluetrain 牽引機 3兄弟    EF60-500、EF65-500、EF66



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