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「第17回」 20. DF50 ディーゼル機関車








(実車)

非電化区間の機関車の無煙化、動力費の軽減は時代の要請でもある。この様な趨勢のもと、最初の本格的本線用ディーゼル機関車として1957年誕生したのがDF50 である。
この当時、支線入換用の小型ディーゼル機関車はエンジン、液体変速機とも国産であったが、大型機関車は未だ開発されていなかった。この為DF50 は、エンジンは外国との技術提携、変速機は電気式が採用された。エンジンはスイスSulzer(1050HP)とドイツMAN(1200HP)の2種類で後者はナンバーを501からはじめて区別している。
大きな特徴は、丙線でも十分使用でき、且つ急曲線も無理なく通過できるよう、日本最初の車軸配置B-B-Bを採用したことで、この方式は以後生まれた多くの新鋭電機に受け継がれている。
これと逆に受け継がれなかったものがある。それはパンタグラフをつければ電気機関車と間違えるような「箱型ボディスタイル」である。その理由はその後、宿願の--- 電気式に比べ軽量で安価な--- 2000HP級液体式変速機が開発された事にあるようだ。この為DD51など本線用の本格派でも凸形センターキャブのスタイルとなっている。
性能的には低速域でD51に、高速域でC57級の引長力を有するDF50 は150輌を超す大所帯となり、土讃、予讃、山陰、日豊、関西、紀勢の各線で集中的に使用され、日豊線ではブルートレイン(彗星、富士)関西、紀勢線でブルートレイン(紀伊)を牽引した。

(模型)
1962年天賞堂発売
やっと天賞堂の登場である。天賞堂の日本型シリーズの中で最初の発売がこのDF50 である。
TMS53号(1953/1月)に「長かった準備期間も過ぎ、新しい製品を次々と皆様のお手許にお届けする事が出きるようになりました。今後の弊社製品をご期待下さい」との広告がでてから早くも10年が過ぎようとしている。思えば長い間待たされたものである。
塗装済み完成品のみの発売で、先ず驚かされる。購入してそのまますぐ走るモデルの当社への入籍は勿論初めてのことである。(当時としては何となく物足りない気持ちになったものである)次に、4990円という価格の安い事、その栗色(ブドウ色と言う方が適切かもしれない)の美しい塗装に感激したことを覚えている。
なお、この塗色について天賞堂のDF50 は「朱塗りが主体で他に茶塗りも用意されていた」と書いてある本もあるが、小生の知る限り初代DF50 発売当初の塗色はブドウ色1本であった。
実物の方のDF50 も1957年初登場以来ずっと直流電気機関車と同じブドウ色に塗装されており、ディーゼル機関車であることを示す朱色とネズミ色に白帯びを配する塗装は1963年四国のDF50 にはじめて実施された。それは天賞堂のDF50 発売より後の出来事である。当社のDF50 は発売の翌年2個モーター用動力ユニットの分売されるのを待って2個モーター仕様に変更されている。
1966年当社の初代固定式レイアウトが出来た時、同じ天賞堂製で、しかも同じブドウ色の10系軽量客車8輌を牽引し4本あるエンドレスの1本を独り占めにしていたのはこのDF50501である。
この当時の酷使のせいか、最近2個モーター中の1個が不調となった。応急処置としてウォームのかみ合わせを外し、片肺走行に切替、インサイドギィヤ-の抵抗はあるが、単独走行に支障なし。当分の間独りで遊んでいてもらう事にする。
最後にテールライトの件「鉄道模型考古学」の紹介記事で「天賞堂DF50 初代モデルの中の初期ロットのものはテールライトが点灯式であった」とある。当社のDF50501、テールライトは(勿論ヘッドライトも)正常に切替点灯する。天賞堂初代モデルの初期ロット製品に該当するのかも知れない。

2009.11.30 Movie 追加
本稿掲載から5年以上が経過した。1966年初代固定式レイアウトの4本あるエンドレスの1本を独占したDF50牽引10系軽量客車列車(何れも天賞堂製)の走行再現を試みた。
片肺走行での客車牽引が気になっていたが、やらせてみればそれが杞憂に過ぎない事が分かった。それでは43年ぶり再現走行のMovieとStill×4をご覧に入れる。










「第18回」 21. C58 蒸気機関車







(実車)
1938年(昭和13)から登場。D51を小型化した感じの機関車で、客貨両用の中型の万能機として利用価値は大きく、日本全国殆どの地域でその活躍が見られ、近代化で大型蒸機が次々姿を消した後も最後まで国鉄線上に残る型式となった。密閉式運転室を設置したのは、このC58 が最初であり、又1C1軸配置Prairie(プレーリ)も C58 が最初で、且つ最後のものとなった。
日本の鉄道に最も適したのは中型のPrairieであったと評価されながら C58 一型式のみに終わってしまったのは何とも皮肉な結果であるが、この C58 を高性能、近代化した1C1Prairie C63 が計画され1956年設計完了したが、その後、急進展した電化、ディーゼル化の波は試作直前のC63をついに青写真のままで終らせてしまった。戦後製造された2次型も含め C58 の総数は427輌となる。

(模型)
1960年代宮沢模型発売の初期製品
正確な発売年度は不明であるが、中型の万能機、しかも手頃な価格の宮沢 C58 を1962年か遅くとも63年には購入したように思っている。同年代に購入したモデルの大半がノートラブルであるのに対し、経年劣化に対するメンテナンスに若干手のかかった宮沢製 C58 ではあるが、むしろ低価格路線維持に対する宮沢模型の努力の方を評価しておきたい。
それにメンテナンスに手をかけただけあって、現在ではもっとも軽快に走行する機関車の一つになっている。


2012.05.07 MOVIE 、Stillx11追加
先回ED16牽引ワキ1系FCx3「宅扱急行便」Movieを作成したばかりだが、今回はC58牽引で同じワキ1系FCx3「宅扱急行便」のMovieを作成することにした。
「宅扱急行便」の輸送は「電化区間ED16に、非電化区間C58にまかせる」が当社の方針としてここで確定する。
なお、C58にとってワキ1系FCx3牽引のみでは寂しいので、ブラス塗装すみFCx6を牽引する一般混成貨物列車Movieを番外編として掲載することにした。
それでは中型万能機C58の軽快な走行Movieをどうぞ。

 右回り走行 















 左回り走行 













 番外編






「第19回」 22. EF61 電気機関車





(実車)
1961年(昭和36)EF60型をベースに電化の進展する山陽本線の高性能旅客用電機として18輌が製造された。
EF60 の第1次量産機に列車暖房用の蒸気発生装置(SG)を搭載し、歯車比を変更、EF58 型とほぼ同等の速度、引張性能をもたせた。
外観的にはEF60 型に比し、SG搭載で車長が1600oのび側面のベンチレーター上に細長い窓を配置したことが特色で、このサイドビューは新EF60(EF60後期型)を通じてEF65に引き継がれた。
将来は貨物用に変更することを予定した機関車で、事実その通りになってしまったが、近代感にあふれ洗練されたスタイルのEF61にもっと華やかな活躍舞台を与えてやりたかったと思うのは小生だけだろうか。

(模型)
1963年鉄道模型社発売
「鉄道模型考古学」のリストには1966年発売とあるが、下記2点から、これは誤りである。

  1. 1964年3月10日付け社報に掲載された38輌の所有車輌の中にEF61が含まれている。(過去へのタイムスリップ参照)
  2. TMS 168号(’63/12)の製品の紹介欄にEF61が登場している。又同じ186号の鉄道模型社の広告にも「EF61発売中」とある。


「第10回」EF80 の項でも述べているが、鉄道模型社の新型電機の模型発売意欲は異常とも言えるほどである。しかもTMS 186号の評価によると「鉄道模型社の製品は『価格は安いが比較的ラフな製品』との印象をもつファンもいたが、最近の製品は違う。EF61でも又一段の進歩の跡が見える」とあり最後に「この製品は外見の良さが第一の魅力で、広く国鉄ファンにすすめられる」と結んでいる。 ブドウ色の半つや消し塗装にスポーク車輪、洗練されたスタイルのEF61は今なお「お気に入りの一輌」である。それに良く走るので、1966年に出来た固定式レイアウトの4本のエンドレス中の1本を独占したのはこのEF61である(「第17回」 DF50 ディーゼル機関車参照)半つや消し塗装こそ汚れてしまっているが(天然ウェザリング?)2Motor 仕様、ヘッドライト、テールライトすべて正常に作動、当社ではまだ旅客列車の先頭に立たせたい。


(2017.03.17 Movie、Stillx13 追加)
本稿に記載しているように、初代固定式レイアウトの4本のEndlessの中の1本を独占して快調に走行を続けていたEF61の走行Movie掲載が最後になってしまった。
原因はEF61の長時間走行に起因する走行Mechanismの疲労による走行不安定で休車状況に陥った点にあった。
今回EF61の走行不安定要因に対する対策が完了し快調走行が可能となったので走行Movieを掲載する。
EF61の牽引するナハ10系8輌編成に関しては37-4[第4ステップ]をご覧頂きたい。ここには8輌の車種構成のほか急行「日本海」「雲仙」の編成Stillも掲載されている。
更に急行「日本海」の走行Movieはこちらをご覧頂きたい。それでは「幕の内10輌編成 急行「雲仙」走行MovieとStillx13をどうぞ。



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