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You Tube 英、独流線形SL併走


英、独流線形SL併走


[一口メモ]
ドイツでは1933年登場したディーゼル特急「フリーゲンター・ハンブルガー」を皮切りにして流線形、高速ディーゼル列車網が築かれていたが一編成当りの定員は限られ、食堂車の連結もなく、決して豪華で余裕の有る鉄道旅行を提供するものとはいえなかった。
このような背景から、流線形、大型高速蒸気機関車の必要性が認識され、最初に登場したのが05型SLである。この05型はベルリン〜ハンブルク間の特急列車牽引に起用され、営業表定速度118q/Hという蒸機列車としては、古今東西永遠に破られる事の無い速度記録を樹立した。
2.3mもある05型大動輪は、スピードの世界記録達成には貢献したが、一方で思わぬ弱点を引起す原因にもなった。
つまり大動輪との干渉を避けるため、ボイラーの容量を逆に小さくせざるを得ず、この結果牽引力が大幅にダウン重量列車を高速で牽引する事はできなかった。このため製造は僅か3輌、これではとても実用機とはいえない。
代わって登場したのが実用的流線形蒸機 0110である。05型の反省から、当時ドイツの標準急客用蒸機であった01型を高速タイプに改良する事にし、1939年以後、流線形ケーシングをまとった新型機011055輌製造された。
こうしてドイツ連邦鉄道(DRG)のレール上を、最高速度150q/H本格的流線形高速蒸機が走出すことになった。
一方イギリスを代表して、今回登場する流線形蒸機LMSのCoronationクラスで1937年からその製造がはじまった。当時流行の流線形ケーシングで覆われて出場したのは最初の10輌で、その塗色は前半の5輌はBlueSilver Stripe(Steel写真参照)、後半5輌がCrimson Lake(レンガ色)にGold Stripe(Movie登場)であった。
Biue塗色の方はロンドン〜グラスゴー間特急「コロネーション・スコット」の牽引に使用されたが、Crimson Lakeの実車1輌が客車と共に特急列車編成として、ニューヨーク万国博覧会(1939年開催)に出展され、センセーションを呼び、注目を集めたという。
ドイツ、イギリスの両車、何れ劣らぬ駿走Pacific SL達であるが、牽引される客車の方も又、両国を代表する名車輌である。
片やドイツの豪華列車の代名詞となっている"Rheingold"専用客車、他方はイギリスの誇る"British Pullman Coach"である。
流線形SL対決のみでなく、Trainとしての対比も又見ものである。

9枚のスチール写真


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