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「第29回」 33. C60 蒸気機関車








(実車)

東海道、山陽両本線の電化の進展は、軸重の重い両幹線の専用機であるC59の働き場所を急速に狭めていった
そこで、1953年(昭和28)、C59を2軸従台車にして軸重を軽くし、東北、常磐、鹿児島本線へ入線できるようにした機関車C60が誕生した。つまりC60はC59の延命策として、従台車部分を改造して生まれた車種(パシフィックドソン化)で新製機関車ではない。当初は初期のC59を改造したが、1960年から戦後製造された後期C59も改装され、この方にはC60101以降の番号が付け
られた。(当社在籍C60105は当然後期C59改造車)2C2ハドソンとしては、すでにC61、C62が出現していたので第3番目となる。ブルートレイン走行路線の非電化区間ではC62、C61、C60のハドソントリオに加えてC59が牽引機となり、蒸気機関車牽引の最後の特急として色どりを添えたのである。

(模型)
1965年(昭和40)カワイモデル発売 未塗装 KIT組立て(但しMotor、Gear Box 未装着)
1962年カワイモデル発売のC5941(「第12回」参照)の弟分に相当する。兄貴分のC5941が初期C59をプロトタイプとしているのに対し、弟分のC60105は後期C59を改造したC60100番台をプロトタイプとしているので、両者の間には単に従台車が1軸か2軸か以外に色々違いがある。中でもよく目に付くのは平底テンダーが船底テンダーになり、その台車も全く異なっている。更にC60には動力逆転機が加わっている。ところで当社の日本型機関車の中に動力(具体的にはMotorとGearBox)を持たぬDumyのロコが3台ある。MotorもGear Boxもきちんと保管されているが40年近く未装着のままである。勿論下回り動力伝達メカは正常に作動するのでDumy機関車として重連運転後部補機によるPush運転を楽しむ事にしている。(ベーカーカプラ-がBodyと絶縁されていないので連結に際しての+−極性に対する配慮が必要であるが......)兄貴のC59は550Rを何とか通過するが、弟のC60はショートで不可。原因が2軸従台車にあるかどうかの確認までは行っていない。最後に「カワイモデルの2兄弟」の並ぶ姿をお目にかける。





上段:C5941 (「第12回」)  下段:C60105 (「第29回」)




「第30回」 34. 2900型 蒸気機関車









実車)
明治の花形機関車といえば、5500型ピーコック6000型ネルソンで代表される旅客用2B(4-4-0)テンダー機が先ず頭に浮かぶが、もう一つ重要な働きをしたタンク機関車がある。
1890年(明治23)から日露戦争までに貨物用機関車として多数作られたのが、"B6"と称するC1(0-6-2)タンク機関車である。
国有化後2100(英国製)、2400(ドイツ製)、2500(米国製)に改称されたが、何れも同一性能で、これら2100〜2500の一族は"B6"と呼ばれ全部で530輌をこえる大所帯である。
その後一部は車軸配置の改造を受けたが、C1から1C1に改装されたものが今回のモデルのプロトタイプ2900型である。B6は体つきは小型ながら強力であったので、本来の貨物用以外に、箱根の山越え(今の御殿場線)などにも使用され、大正時代になって9600やD50が登場すると入換用機関車として第一線から退いた。
入換用となってからも、小回りがきいて強力なことから便利に使われ、1958年(昭和33)ころまで全国主要駅の構内で働き続けた。このように、時代の変化に応じて本線貨物用又は急勾配用から、支線区列車用、さらに入換用と次々適正な用途についた事と、故障も少なく、乗務員や検修員にも重宝かられて使用されたので、老朽化して廃車のやむなきに至るまで実に60年近い寿命を保つことが出来、ピーコックの5500型と共に長寿の誉れ高き機関車であった。

(模型)
1965年(昭和40)宮沢模型発売 塗装スミKIT組立て
タンクロコとしては1号機関車(「第1回」)、自由型Bタンク蒸気機関車(「第23回」)に続いく「登場第3弾」)である。前回のBタンクも今回の"B6"も同じ宮沢模型であるが、Bタンクの方が自由型で有るのに対し、今回のB6は2900型というプロトタイプが存在する。1965年時点ではB6のモデルは未だどのメーカーもKITを発売しておらず、文字どうり「日本初のB6」である。サイドタンクの一部をかきとってエアタンクを付け、単式コンプレッサーと空制用パイピングのバランスのとれた配置が模型として楽しい雰囲気をかもし出している。
前後に排障器もついており、美しく浮き出たリベットと相まって、置いて眺めるだけのモデルならともかく、走らせるためのモデルとしてはこれで十分である。
事実宮沢の「走らせよう」精神はこのB62900型に見事具現されてはいる。縦型モーターにたっぷりウエートをいれて、その牽引力は前作のBタンク(森林タンク)の比ではない。
組立て後40年弱経過するが、この間無故障、丈夫なBodyと共に安心して走らせられ、信頼性の点ではプロトタイプのB6ゆづりである。
Headlight 点灯で走行電流0.5Aは1965年製品の現時点走行特性としてはまずまずである。


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