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コレクション&オペレーション(C&O)の重点

コレクションの重点を何処に置くか、それこそ小生の生い立ち、鉄道との関わり方、種々の体験等々、極めて個人的な事柄に起因するものである。(鉄道模型に限らず「趣味」とはすべて究極において極めて個人的価値観に基づくものである)
さて、小生の価値観に基づく C&O の重点は次の通りである。(小生の価値観、価値序列がどうして形成されたかの過程については別項で触れる予定である)

日本型

  1. 各年代の国鉄(JNR)及びJRの車輌、蒸気機関車(SL)及び電気機関車(EL)を主体とする。 1'、SL、ELに牽引される客車列車、及び電車列車(各時代を代表する)
  2. 私鉄は近畿日本鉄道(含、参宮急行)一社の車輌に絞る。

外国型

  1. アメリカ鉄道黄金時代の旅客用特急列車群(各私鉄の看板列車いわゆる Named Train 達)
  2. 世界のいわゆる豪華列車群(年代を問わない)
  3. 現代の世界の高速列車群(鉄道の魅力の一つはスピードとの観点から)
  4. スイスのメーターゲージ車輌群(スイスの美しい風景に上手く溶け込んでいる車輌達すべてBEMO 製)
  5. ドイツを中心にしたヨーロッパ各国の時代を越えたお気に入り車輌群
  6. 以上の項目には該当しないが衝動買いに類するもの(これが案外多い)

一般にレイアウト建設となると、その前提として何処の国の鉄道にするか・・・・・年代は?、地域は?、幹線にするかローカルにするか?等次々と個別化、特異化していくのが普通である。
つまり特異解を求める方向である。その結果「弁慶号を入手したが、我が家のレイアウトに置く訳に行かない」と言う事態も起こる。このような特異解を求めて個別化していく方向と180°反対に一般解を求めて行くのが当社の C&O の方針である。つまり古今東西、国を問わず、年代を問わず、地域を問わず、スケールにこだわず、鉄道車輌であり、そして上記重点にマッチするものならば、すべて当社のレイアウト上を走行する権利がある。
「そんな事は実車(実際)では起こらなかった。(又、ありえない)」「そんな無茶な・・・・・」と言う反論が聞こえそうであるが、それは反論者の価値観と小生の価値観が違う、ただそれだけの話である。(勿論、大多数のモデラーの価値観は反論者と類似したものである事は小生も承知している。
しかし、だからと言って少数派の小生の価値観を否定する事は出来ない。)小生が鉄道模型に関わり始めて50年以上経過するが、この間クラブに入会しなかった理由もこの辺にある。
実車(実際)に起こった事だけしか模型で実現出来ないと考えるのはナンセンスである。否、現実には起こり得なかった事を模型で実現出来るのが「鉄道模型趣味」の特権であり、そこから無限の楽しみ、大きな創造(想像)の世界が広がる。当社の C&O の重点は正にここにある。
現実の世界でも CIWL オリエント急行の客車がEF58に牽引されてJR各線を走っている。
(起こり得ないと考えられていた事が現実に起こっている)当社レイアウト完成の暁には NYC の特急「20th Century Limited」と PRR の特急「Broadway Limited」のシカゴ郊外併走区間で一日2回起きるデットヒート(これは現実にあった有名な話)の実現だけでなく、これらアメリカの有名看板列車(Named Trains)と旧満鉄「あじあ号」を併走させて楽しみたいと願っている。
このように時間軸空間軸差の壁を乗り越えた列車同士を併走させてModel Railroadinngの特権を生かした創造(想像)の楽しみに浸りたいと思っている。(赤字部分 ’5.7.20 追記)
一般のレイアウトではシーナリーは極めて重要である。
前記特異解にマッチしたシーナリーを如何にして作り上げるか力の入れ所である。すでに述べた通り当社の方向は180°逆方向であり、シーナリーはあまり意味を持たない。意味を持たないどころか、国を越え、地域を越え、年代を越えた列車の走行を楽しもうとしている時、それらを特定化するようなシーナリーの存在は興ざめであり、有害でさえある。
計画通り行けば [HOゲージ] だけで5本のエンドレスが出来上がり同時に5本の列車を個別にコントロール出来る。
併走あり、追い越しあり、競争あり、対向あり、列車の走行そのもの自体が楽しみと創造(想像)の中心であり、シーナリーの所在は「認識の関」の外側に追いやられる。

(2012.09.06 シーナリーに関する追記)
当社のレイアウトも当初はレールのみの殺風景なものであったが、かなりシーナリーストラクチャーが設置され見易いものになりつつある。一方この間、常に気になっていた事がある。それは当社レイアウトにとってシーナリーは有害であると記述しておきながら、実際にはそれ等がどんどん増えていることの不審の念を抱かれているのではないかという点である。
確かに丁寧さを欠いた記述なので、そのような誤解も生じかねないので、この点について追加記述する。上記本文の問題箇所は次の通り。「意味を持たないどころか、国を越え、地域を越え年代を越えた列車の走行を楽しもうとしている時、
それらを特定化するようなシーナリーの存在は興ざめであり、有害でさえある。」
ここで有害と論じたシーナリー
「それらを特定化するような」という形容語がついている点が重要である。(それらとはその前に出ている地域年代をさす)逆な表現をすれば「当社レイアウトにとっても、シーナリーは必要であるが、地域年代特定するようなものであったはならぬ。」ということである。従って、これらを特定化しにくい牧場遊園地公園など−−−一般解シーナリー−−−を当社レイアウトに設置している。
当社レイアウトは〈G〉〈O〉〈HO〉3スケールの車輌が走行するが、このスケール差一般化できないので『レイアウト下段〈G〉車輌走行エンドレスレール周辺〈G〉スケールシーナリーを、上段6本のエンドレスレールのうち一番外側
一本のみ〈On30〉車輌走行が許可されているので、このエンドレスの外側の空地〈O〉スケールシーナリーを、そして6本のエンドレスはその走行主体となるのが〈HO〉ゲージ車輌なので一番面積の大きいエンドレスの内側空地には〈HO〉スケールシーナリーを設置する』を基本原則としている。
最後に何故今回の追記が必要となるような誤解され易い文章最初に記述したのかについて。
それは一般に行われているシーナリーに特異解を目指す方向と、当社の一般解を目指す方向180°逆方向である点を強調するためである。つまり「大多数のレイアウトで採用されているシーナリー設定方針(個別化、特異化)に基ずくシーナリーは多数の一般解列車が走行する当社レイアウトにとっては有害だ」と強調するためである。
レイアウトで走行する車輌シーナリーの何れが主役となるべきか。少なくとも走行派の当社では、車輌が主役シーナリーは脇役と決めている。それであるから主役車輌モデルのコレクション範囲を先ず明確にする。当社のコレクション方針は上記の如くすでに明確にされている。当然脇役のシーナリーは主役にマッチさせるために一般解シーナリーでなければならない。
本文に記載した「弁慶号を入手したが、我が家のレイアウトに置くわけには行かない」(実際に模型誌掲載された読者の声)こうした事態は上記主従関係車輌コレクション方針明確せず、いきなり特異解シーナリー作ってしまう手順間違いから発生する。実例も承知しているがこれ以上は記述しない。


(2014.01.25. Figureに関する記述とスチール追加)
今回は車輌に乗せるFigure(乗務員と乗客)について当社社長の力作を紹介するのが主目的であるが、その前段階として、先ず当社コレクションの重点に関する補足が必要である。
本文にはコレクションの重点が、日本型、外国型に分けて幾つかの項目が羅列されているが、これは時系列的には結果系で現在の重点範囲を記述したもので、原因系で逆のぼると、その根源は「鉄道が最も輝いていた頃の再現」である。これを具体的なキーワードで示せば「蒸気機関車」「展望車」「流線形」となる。
世界的に見ても自動車航空機が台頭してくる前の、鉄道が輸送機関の主役として最も輝いていた時代は、蒸気機関車が最も活躍していた時代とほぼ合致するし、この期間の中心となる、1930年代には世界的な「流線形ブーム」が起こり、欧米では個性的流線型カバーをまとった蒸気機関車が数多く登場し特急列車を牽引してスピードを競っていた。そしてその特急列車最後尾には展望車が連結されていたので「展望車」は常に乗りたい車輌の最高位にランクされる「高嶺の花」であった。
小生はこの世界的な流線形ブームの時期に幼少期を過ごし、流線形蒸気機関車の活躍する姿を絵本からインプットされ、この中から上述の三つのキーワード「蒸気機関車」「展望車」「流線形」が形成された。
この中で今回の記述が関係するのは「展望車」(Observation)である。展望車は前期に登場した開放型と後期の密閉型に区分されるが、話は開放型(Open Deck Observation)に絞って進められてゆく。
開放型展望車(同じようなスタイルのビジネスカーも含めて開放型展望車と呼ぶことにする)は文字通り展望デッキが開放されているので、ここに乗客がいないのは何となく寂しく感じられる。今までMovie撮影を行うたびにこのように思っていたので、社長にお願いしてオープンデッキ乗客を乗せることにした。
話が決まり展示棚から、開放型展望車のみ取り出してみると何とその数33輌もある。(29輌のアメリカ型はHOスケール、4輌の日本型は1/80スケール)つまり開放型展望車を最後尾に連結した特急列車(Named Train)が日米合わせて33編成もあったのである。
展望車1輌に2〜3人の乗客を乗せるとかなりの人数となる。ベースになるFifureは市販の低価格のものを購入し、同じスタイルの繰返しにならないよう、その1人1人表情ポーズ服装をかえて乗せるのは大変な仕事である。それを我が社長は遂にやってのけたのである。




(2014.02.08. Figureに関する記述とスチール追加−その2−)
前回(2014.01.25)にFigureに関する記述とスチール追加を記載したが、今回は−その2−として続編を掲載する。スチール写真のみ先にあげてしまって、説明記述が遅れてしまって申し訳なく思っている。
今回のFigureに関する追加−その2−の狙いは続編としての「HOスケール(日本型1/80スケールを含む)Figure掲載」の他に、もう一つ「OスケールFigureの新たな紹介」である。

[1] HOスケールFigure(展望車オープンデッキ乗客)
前回掲載したスチールは33輌のオープンデッキ展望車を上下5段に並べて撮影した「全員集合!」2枚のみ。これでは乗客の様子もデッキに掛けられた「バックサイン」も良く分からない。当初「これで十分」と言っていた社長を説得し拡大スチールを追加掲載することになった。
拡大スチールは、@上下2段集合A1段横並びB個別正面スチールの順で掲載する。この中でB個別正面スチール掲載は15枚(輌)、で全数(33輌)の半数弱だがここでは日本型に関しては展望車の車種と簡単な情報を、アメリカ型ではその展望車の所属する鉄道会社を記載している。
アメリカ型ではデッキに掛けられたバックサインにもご注目頂きたい。正確な時代考証に基ずくものではないが、各鉄道会社を象徴するデザインを用いて当社社長が作成したものである。
[2] OスケールFigure(On30市電乗務員及び乗客)
On30市電(Bachmann製 当社に7輌在籍)に乗せるための、これもまた社長の作品である。製作は時期的にはHOスケールFigureより先に行なわれたものであるが、スケールがHOより大きいだけに、ポーズ服装個々の所持品の作り分けに力が入っているのがよく解る正に「力作」である。
スチールは乗客、乗務員の乗車した2輌の市電と、これから市電に乗車させる、Figureの横並びスチールである。

[1] HOスケールFigure(展望車オープンデッキ乗客)


@ 上下2段集合




A 1段横並びスチール


















B 個別正面スチール

スイテ492(オハ35系) マイテ581(スハ44系) スイテ491(シングルルーフスハ32系
昭和15年(1940)頃の特急「つばめ」バックサインは点灯式 戦後復活した初代特急「はと」 昭和13年(1938)頃の各等「富士」バックサインは点灯式


スイテ39(ダブルループスハ32系) UP(ユニオンパシフィク鉄道) SP(サザンパシフィク鉄道)
昭和5年(1930)頃の1、2等特急「富士」


Santa Fe(サンタフェ鉄道) SOU(サザーン鉄道) D&RGW(リオグランデ鉄道)


B&O(ボルチア・オハイオ鉄道) C&O(チェサピーク・オハイオ鉄道) C&Oジョージ・ワシントン号
(バックサインはワシントン肖像画)


CB&Q(シカゴ・バーリントン鉄道) C&A(シカゴ・アルトン鉄道) PRR(ペンシルバニア鉄道)




[2] OスケールFigure(On30市電乗務員及び乗客)














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