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「第33回」 37.客車列車の登場 (客車編−その1−)

小生の鉄道模型コレクションの重点については別項(コレクション及びオペレーションの重点)に述べているが、その中で日本型の項目内に「各時代を代表する客車列車及び電車列車」の一項がある。
特に運転派の小生にとって機関車だけ集めても牽引させる客車がなければ意味がない。
そこで今回は1966年初代固定式レイアウトが開通式を迎えた時(過去へのタイムスリップに掲載予定)に走行した旧型客車たちを中心に紹介する。ここで各論に入るまえに、登場する旧型客車4型式とその近代化過程をまとめておく。

第1ステップ 客車の鋼製化(木製→鋼製)と長形化(17m→20m)
ダブルルーフ スハ32系の登場(37・1)
第2ステップ 丸屋根化(ダブルルーフ→シングルルーフ)
昭和7年以降のシングルルーフ スハ32系(37・2)
ここで木製客車名残のダブルルーフが無くなり近代的形態整う
第3ステップ 広窓化(3等車の場合の窓幅600o→1000o)
昭和14年製造開始のオハ35系(37・3)
近代化標準スタイルとなり戦後まで増備が続き、日本の
客車を代表するグループとなる
第4ステップ 軽量化(構造改革で30%軽量化)
昭和31年ナハ10系の登場(37・4)
以後の新製客車は「すべて軽量構造とする」方針が決定され
冷房装備の新型客車へとつながっていく

それでは今回に限り発売時期順でなく、上記近代化ステップ順に従って客車列車を登場させることにする。

37・1[第1ステップ]

ダブルルーフ スハ32系 7輌編成【1.2等特別急行列車(第1.2列車)「富士」のイメージ】

(実車)

昭和7〜8年頃(丹那トンネル開通前、東海道本線が御殿場経由の頃)の1.2等特別急行列車「富士」の編成は、鋼製20mダブルルーフ スハ32系の採用による重量増加のため7輌編成に制限されていた。(後部補機にD50をつけても御殿場越えの連続勾配は7輌が限度であった。)その内訳は手荷物車、2等寝台車×2、2等座席車、洋食堂車、1等寝台車、1等展望車の7輌で特に最後部に連結された展望車は米国大陸横断鉄道にあやかったものである。(対比写真参照)このように1.2等車だけの豪華な編成はまさに「陸の王者」「欧亜連絡国際特急」の名にふさわしい日本国のシンボル的列車ではあるが、別な見方をすれば一般大衆には近寄り難い憧れの列車でもあった。牽引機は東京〜国府津間は新製後間もないEF53、国府津以西はC53が牽引し、御殿場越えには展望車の後に補機としてD50がつく。

(参考)
昭和5年10月1日「富士」編成(7輌) カニ、マロネ、マロネ、スロ、スシ、マイネ、スイテ

(模型)
京都の老舗マツモト模型のペーパー製車輌は古くから定評があった。そこで60年代のはじめの頃憧れの特急「富士」用にスハ32系(ダブルルーフ20mクラス)7輌の完成車体を購入、これに床下器機、台車、連結器を別途購入して装着、完成したのが、当社の客車列車編成第1号である。なお7輌の客車の内訳は次の通りである。( )内は旧呼称番号、台車は特記以外は3軸TR72、73装着 

1号車 カニ37
 (カニ39550)
台車3軸TR72がつくべき所、誤って2軸のTR23がついてしまった
2号車 マロネ37
 (マロネ37300)
鋼製最初の2等寝台車
3号車 マロネフ37
(マロネフ37500)
実車は2号車と同じマロネ37であったが、バリェーションをつける
4号車 スロ32
 (スロ30800)
2等転換座席車、本当はこのスロ32のみが2軸台車TR23をはくはづであったが・・・
5号車 スシ37
 (スシ37740)
鋼製最初の食堂車
6号車 マイネ38
 (マイネ37130)
1.2等車特別急行「富士」専用1等寝台車
7号車 スイテ39
 (スイテ37010)
室内は和風桃山式、当初はマイネ38と同様「富士」専用車であった




以下に御殿場経由特急「富士」の編成写真を掲載する。

[1] C5345牽引の特急「富士」

塗装済み客車を牽引するのが未塗装の蒸機と好ましい組合わせとはいえないが、初代レイアウト開通時には、塗装済み蒸機はC574次型(カツミ)C61(鉄道模型社)の2台しかなく止むを得ずこのような形で初代レイアウトのエンドレスを走り回っていた。2代目レイアウト走行Movie

初代レイアウト走行時と同じ姿を2代目レイアウトの仮設エンドレスで再現


上段左より
C5345+カニ371+スロ323+マロネ379+マロネフ371+スシ376+マイネ383+スイテ391編成順序は実車編成を無視して2軸台車の2輌(カニとスロ)を前に持ってきている。




スイテ39の展望デッキが見えるようマイネとスイテの順序を変え、且つスイテの向きを180°変えている。なお展望車のバックサインは当時のものではない。仮取付品である。
(その後、当時のバックサインに変更)



2ef53

[2] EF537牽引の特急「富士」

天賞堂がこのEF537を発売したのが、1974年初代レイアウトの解体処分が1972年であるから、このような形で初代レイアウトを特急「富士」が走ることはなかった。C53牽引のように塗装のアンバランスもなく美しく「ぶどう色」で統一され、EF53の担当区間は東京〜国府津間と短かったが、第1列車特別急行「富士」の東京駅出発の晴姿を彷彿させるものがある。2代目レイアウト走行Movie
以下の写真はロコがC53からEF53に入替えただけなので説明は省略する。







37・2[第2ステップ]

シングルルーフ スハ32系 9輌編成【昭和13年頃の各等 特別急行列車「富士」のイメージ】

(実車)
昭和9年には丹那トンネルが完成、東海道本線は熱海経由となる。電化は沼津まで達した。
これを受けて実施されたダイヤ改正で「富士」は3等車を組入れ各等特急に改められ、3等寝台車スハネ30や「富士」専用3等座席車オハ34を増結し、オールシングルルーフで統一された10輌編成は独自の存在感を誇示していた
昭和11年以降、世界的な流線形ブームを受け、幾つかの流線形機関車が登場「富士」の先頭にたった事も見逃せない。
昭和11年3輌製造された流線形EF55は電化区間(東京〜沼津)の牽引機として有名な存在だったし、沼津以西は、流線形に改造されたC5343が「富士」の先頭に立つ事も多かった。

(模型)
後期スハ32系の編成はズラリと並んだ狭い窓シングルルーフ(丸屋根)との取合せが、その後出現したオハ35系にはない独特のムードを醸しだしている。
そのバリエーションも多く、特急から各停まで広く活躍した車種であるが、小生はオハ34を中心に昭和13年頃の各等特急「富士」をイメージした9輌編成を組むことにした。メーカーは丸屋根スハ32系ブラス完成車に力を入れていた宮沢模型製の7輌と、小高模型のプレスボード車体キットから組上げた寝台車2輌の混合編成である。9輌の客車の内訳は次の通りである。台車は特記以外TR23装着。
(「富士」をイメージしてはいるが、実編成よりも車種のバラェティを楽しむ方を優先させている)

1号車
(赤帯)
 スハネ3010
 (小高)
国鉄最初の3等寝台車、好評を博す
2号車
(赤帯)
 スハフ3260
 (宮沢)
スハ32の緩急車形
3号車
(赤帯)
 スハ32137
 (宮沢)
スハ32系の中心車種、ズラリ並ぶ狭窓が見事である
4号車
(赤帯)
 オハ3412
 (宮沢)
特急「富士」用の3等座席車、スハ32より座席間隔が
広く、その分定員が8人減少(88人→80人)
5号車
(帯なし)
 スシ3758
 (宮沢)
丸屋根最初の食堂車、台車は3軸TR73
6号車
(赤青半々)
 スロハ3161
 (宮沢)
定員2等室36、3等室40「富士」に組み込むのは間違い
だが・・・・・
7号車
(青帯)
 オロ351
 (宮沢)
昭和10年代の丸屋根2等車の標準形となる
8号車
(青帯)
 マロネ37101
 (小高)
丸屋根2等寝台車の最初の形式、台車は3軸TR73
9号車
(白帯)
 スイテ491
 (宮沢)
特急「富士」用桃山式に代わる展望車として、新造された
唯一の丸屋根式展望車、台車は3軸TR73

以下に各等特急「富士」の編成写真を掲載するが、機関車も客車もすべて初代レイアウト解体処分後に発売されたもののため、初代レイアウト上を走行出来なかった列車である。

[1] C5520(流線形)索引の各等特急「富士」

本来なら流線形C5343に牽引させたいところだが、当社に在籍せず、C5520(流線型、天賞堂1975発売)に代行させる。

上段左より
C5520+スハネ3010+スハフ3260+スハ32137+オハ3412+スシ3758+スロハ3161+オロ351+マロネ37101+スイテ491(ペーパー製2輌とブラス製7輌の混合編成であるが、運転走行に何ら支障はない)




スイテ49の展望デッキが見えるようマロネとスイテの順序を変え且つ、スイテの向きを180°変えている。展望デッキの「富士」のテールマークは点灯式





[2] EF551牽引の各等特急「富士」

「帝都を後に颯爽と・・・・・」新鉄道唱歌に歌われた「流線形」はこのEF55をさす。
以下の写真はロコがC55からEF55に入替わっただけなので説明は省略する。








[3] オハ3412とスシ3758

最後に編成写真ではないが、その構成要素であるこの2車種の写真をお目にかける。何れも1973年宮沢模型発売の自信作である。

オハ3412


スシ3758



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