「第34回」 TER（遠藤商店）の2車種
現在のエンドウがTER（遠藤商店）を名乗っていた頃の毛色の変わった車輌（2車種）を紹介する。キハ02（レールバス）とキ100（ラッセル車）である。
38.キハ02（レールバス）
（実車）
1954（昭和29）年、閉散区の経営合理化を目的とし、バスと共通部品を使用した小型軽量で製作費の安価なレールバス キハ01 4輌を試作、翌30年には寒地用キハ02が製作された。
（その後、北海道専用として、酷寒地対策を施したキハ03が製作されている）この3者は正面窓とドアー数で区別されるが、キハ02はその代表的形式である。
このレールバスは北海道から九州まで各地で使用され、閉散区の改善に役立ったが、その後増加する客数に対応しきれず、昭和37年一部はキユニ01に改造され、その他は逐次廃車された。
（模型）
1965年遠藤商店（TER）発売、（塗装済み完成品）
当初、次男に買い与えたものであったが、本人がNゲージを始めたので、結果的に当社在籍車輌となる。良く見ると、このキハ02は子供向きの商品ではない。中々興味深い特色がある。
モーターにマブチレーシングカー用を使用し、ギヤー比14：2のため、電圧を上げるとかなり高速走行になるが、電圧コントロールさえ行えば、実用上何の不都合もない。
ウエートも十分利いており、2軸であっても3点支持方式効果で走行はキ極めて安定しており、音も静かである（走行電流0.7A）M付き（キハ0212）とMなし（キハ0210）2軸在籍する。M付きの方がヘッドライト点灯式であるが進行方向による切替はセレンでなく機械的接触方式を採用しておりそれが40年後の今でも機能しているから感心する。
[補足]
2003年TOMIXから南部縦貫鉄道キハ10が発売された。（HO動力車が1万円を割る価格で購入出来るよううになった話題の車輌）40年前に増加する乗客をさばき切れず、消えてしまったキハ02と乗客数減少から2002年廃止となった南部縦貫キハ10、両者の廃車理由は余りにも対照的である。（40年間の鉄道環境の変化を示している）この両車の仲良く並んだ所をお目にかける。
| 左：南部縦貫 キハ10（TOMIX） 右：国鉄 キハ02（TER） |
(2014.04.09 MOVIE、Still 追加)
キハ02（レールバス）は今回がMovie初登場である。走行状況は前進、後進、Pull方式、Push方式の組合せ如何に関らず快調であるが、Movie撮影はHeadlight点灯方式の動力車が常に先頭になるPull方式（牽引）で行なった。右回り(1)
MovieではHeadlight点灯状況が何とか視認できる。
youtube 右回り走行 (1)
右回り走行 (1) 左回り走行 (1) (2)
4枚のスチール写真
３９．キ100（ラッセル車）
（実車）
冬の鉄道に欠かせないのが除雪作業に働く車輌たちである。雪かき車の中にはラッセル、ロータリー、マックレー、ジョウルダンと色々なタイプがあるが、その中で代表として活躍するのはラッセル車。
キ100は単線用ラッセル車で、国鉄除雪車の過半数を占め1963（昭和11）年から多数製造されているため種類も多く台車をはじめ車輌によって相違がある。モデル（模型）はTR41形台車をつけた、ごく一般的なタイプである。
（模型）
1967年遠藤商店（TER）発売
塗装済み完成品のみの発売で、ブリキ板にプレス加工、ハンダ及びツメによる組立て法で、全体に要領を得た構造である。ディテールも適度でよくまとまっている。
ヘッドライトは点灯式ではないが、半透明プラスチック丸材を差し込んであり、なかなかいい感じである。
このラッセル車のモデルは側翼が可動式になっており、床下のクランクにより、左右の側翼を結んで連動させるようになっており、その動きは極めて安定している。
1969年発売されたカワイモデル製C56スタイルSLの外観が、このキ100の外観とよくマッチするので、この2者でコンビを組むことにし、キ100の後部カプラ−とC56スタイルSLの前部カプラ−を夫々KDタイプに交換、このコンビネーションは現在まで続いている。（勿論KDタイプカプラ−の車輌なら、どの車輌とも連結可能である）最後にこのC56が数輌の貨車を引きながら、キ100の後押しをする一人二役の（実際にはこんな編成は有り得ないと思うが･･･）賑やかな編成写真でこの項を終了する。
(2009.10.22 MOVIE 追加)
本稿を掲載してから既に数年経過した。先日、現在ケースに陳列されているキ100＋Ｃ56スタイル＋貨車2輌の編成のまま走行チェックを行った。その時のMovieを掲載する。
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