52. C12蒸気機関車
(実車)
昭和初期の不況は、国鉄にも大きな打撃を与え対策として丙線より更に規格の低い簡易線が、多く建設されるようになっていた。
一方C12はC11を小型にしたタンクロコとよく言われるが、両車の設計意図は異なっていた。
即ち本線快速列車用のC11に対し、C12には簡易線用としての軸重軽減が求められていた。
このような意図のもと、最新技術を駆使して誕生したC12は、1932年(昭和7)から15年間にわたり300輌近く製造され、その洗練されたスタイルに、年代による変化は見られなかった。
このことはC12がバランスのとれた合理的な機関車であったことを示している。本機をテンダー機にしたのがC56で、ボイラーやシリンダー、走行装置は全く共通の兄弟機関車である。
1C1にしたことで小回りがきゝ、前進・後退の性能が向上、貨客車牽引以外に入換用としても重宝がられ、非能率な明治生まれの機関車や共通部品のない買収機関車は次々と消えていった。
不況の産物といわれた小型タンク機ではあるが、近代蒸気機関車の形態確立に大いに貢献した名機である。
(模型)
1973年(昭和48)中村精密発売 未塗装KIT組立
中村精密のCタンクトリオ最終ランナーC12の登場である。同一シリーズの製品でありながら、C10、C11より価格が大幅に上昇したのが痛かった。
何故そうなったのか理由は記憶にないが、モーターとブレーキシュー未装着のまゝ、現在に至っている。当社に3台あるDumy SLの最後の登場である。(C55とC60は既に登場済み)自力走行は出来ないが、走行関連メカの動きは極めてスムーズなので、例によって重連運転を楽しむことにしている。所で、Cタンクトリオの中のC10、C11がフロント側にもべーカーカプラーを装着した、Push方式
重連走行可能な貴重な機関車であることは既に述べた。そしてC12+C11の重連走行Movieも既に掲載しているので、今回はC12+C10の重連走行MovieとStillをお目にかけることにする。
C12にも、フロント側にベーカーカプラーがついているので、C10、C11とのPull方式重連走行も勿論OKである。
しかしC12+C11+C10の3重連走行は現在の所不可である。理由は極めて簡単、C10の極性が逆、右側+(プラス)で後退するからである。
運転会に出す訳でもないし、当社で運転する限り「C10は極性が逆」と心得ておれば何の支障もない。むしろ稀少価値のある「つむじ曲がり」のC10として、そのまゝ修正せずに今日に至っている。
そこで最後に「幻の3重連」(当然Movieはない)の写真3枚を掲載する。いつの日かC10の逆極性を修正して「幻の3重連」を「現実の3重連」にしたいとは思っているが…。
中村精密 Cタンクトリオ 幻の3重連(1) (先頭からC12+C11+C10) |
幻の3重連(2) (先頭よりC12+C11+C10) 通電厳禁!! |
幻の3重連(3) 逆方向走行を想定、編成順も逆転 (先頭よりC10+C11+C12) |
「第46回」 中村精密の輸出向トリオ
今回は例外的にアメリカ型を登場させることにする。前回の「中村精密のCタンク・トリオ」を記載中に思いついたので、名付けて「中村精密の輸出向トリオ」。
1975年頃のある一時期、中村精密が珍しく「輸出向限定生産品」としてTMS誌に広告を出した事がある。その製品が次に登場する古典ギャード・ロコ2台とEMD E9 DLである。
53. 古典ギャード・ロコ Climax 2台
鉱山鉄道や森林鉄道のように急勾配や急カーブの多い路線で、牽引力を発揮させるために考案された蒸機をギャード・ロコと総称する。
ギャード・ロコ御三家と呼ばれるのはShay、Climax、Heislerで、Shayは数も多く台湾 阿里山(旧称)でも有名であるが、今回登場するのは、その次に数の多い(1100輌)Climax、しかも頭に古典的と形容詞のつく代物である。
Climax 2台 |
53・1 Climax、 ClassA Vertical Boilar
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