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「第14回」 17.ED71電気機関車






(実車)

北陸線交流電化区間ですでに活躍中のED70 (「第11回」記載)の次に、東北線の黒磯以北の交流電化区間に充当する電気機関車として1959年以後、試作機(1〜3)の検討を経て生まれた第1次量産型(4〜14)がこの電気機関車である。
以後増備された第2次量産形(15〜55)との外観上の違いは、第1次量産形のヨロイ窓の配置が特異な「田」の字形をしていたが、第2次量産型では普通のヨロイ窓の形に戻っている。先輩の北陸線用 ED70 との比較では整流方式がイグナイトロンからエキサイトロン方式に変わり、出力も1500kWから1900kWに強化されている。
この出力を従来の直流電機と較べてみるとEF53 が1350kW、かっての特急用EF57 が1600kWであるから交流電機はED級でありながら、従来のEF級直流電機に匹敵する出力レベルであることがわかる。

(模型)
1962年(昭和37)鉄道模型社発売の第1次量産型
鉄道模型社はこのあと第2回生産分からは、実車の第2次量産型の外観と同じような普通タイプのヨロイ窓配置に変更してしまった。従って「田」の字タイプヨロイ窓の第1回生産分は数量も限られており、ファンの間で"幻の田の字"と呼ばれ、その入手難から大プレミアムがつく大騒ぎとなった事もあったようだ。
いずれにしても、この頃の鉄道模型社は非常に元気で、次々新機種を発売していた。
このED71第1次量産型にしても、実車の登場が1960年である事を考えると模型の1962年発売かなり早い方である。先にも述べた通り、当時は同一機種を複数のメーカーが出しており、好きな方のメーカーを選ぶという恵まれた環境ではなく、全く逆で欲しいと思う機種の殆どが、未だ、どのメーカーも発売していないという状況であった。
今までもそうであるが、これからも当分鉄道模型社の製品が、このページに多数顔をだすことになるのは、このような理由からである。
このED71は、初めての塗装済みキット組立てモデルとしての意義をもつ。
これまで登場したモデルが、すべて未塗装ブラス生地であることからも分かるように塗装済みキットは発売されていなかった。(塗装済み完成品か未塗装キットのみ)1962年頃から、そしてEL から先に塗装済みキットが発売されるようになり、やや遅れてSL も塗装済みキットが入手出きるようになった。
2Morter 仕様、ピンク塗装の"幻の田の字"ED71はヘッドライト、テールライト点灯して、今も当社の仮設レールの上を快走する。

(2007.10.31 追記)
"幻の田の字"ED71がライト点灯して快走すると記述してから3年近く経過した。
本稿「第54回」62、EF81エンドウの電機2兄弟掲載のとき、ED71にも「はくつる」ヘッドマアークを取付けカツミ製20系PC×8牽引走行させた時のMovieStillをここに追加記載する。
なお「ライトを点灯して快走すると記載したこともあり、今回は薄暮〜夜間走行をイメージした撮影も試みた。










「第15回」  18. ED61電気機関車






(実車)

交流電気機関車 ED70型を使用した結果、ED型でありながら極めて粘着性が良く、空転し難く、直流のEFに相当する重い列車の牽引が可能であることがわかった。
直流電気機関車についても交流機の体験を活かせば、もっと小型で強力な機関車の製作が可能であろうという事になった。
丁度、中央本線、新宿〜甲府間に使用していた大正末期の輸入電気機関車が老境に入り輸送力不足になったので、交流機関車の経験を活かした新鋭機が1958年計画された。ED60、ED61がそれである。(ED61はED60に電力回生制動装置を付加したもの)
1954年東海道線に登場したEH10マンモス機と呼んだのに対して、小型強力の意味で、漫画の「鉄腕アトム」から名前をもらって、ED60、ED61「アトム機関車」と呼ばれ以後の直流機関車の基本となっている。このED61は、その後、電力回生制動装置搭載で重くなった軸重の軽減化(中間1軸台車取り付け)が行われ、1979年までに全機ED62 形に改造された。

(2009.11.01 ED62 Prototype 写真追加)
先般佐久間レールパークでED62に再会してきたので、その時のスチール2点を以下に掲載する。




型式がED61→ED62に、塗色が栗色→青色に変わっているが、これが登場当時と晩年飯田線で働いていた頃との違いである。そう言えば本日(’09/11/1)、佐久間レールパークは18年間の歴史の幕を閉じる。何年か後に開設されるはずの「JR東海鉄道博物館」での再会を期待している。


(模型)
1962年鉄道模型社発売
前回のED71電気機関車と比較して、その類似点の多い事に驚かされる。両者とも塗装済みキットの発売が同じ1962年、メーカーも同じ鉄道模型社。実車登場から間もなくの模型発売で、当然のことながら、いづれも模型化一番乗りの製品であり、その構造も酷似している。鉄道模型社の兄弟というより双子機関車の誕生である。
ED71ED61は同じ1962年発売という事で実車解説のストーリーの関係からED71を先に登場させたが、正確に言うと実は今回登場のED61の方が発売は数ヶ月早かった。ED71のページではED71に対するTMS NO.175 の評価を省略しているが「まだ不満はあるが全体にED61より一段の向上を見ており、電機としてかなりの水準に達している。広く一般のファンにお薦めできる」とあった。
この一文から今回の主役ED61の評価は推測できる。TMS NO.170 ではED61について、数々の組立ての問題点を指摘した上で「この製品の場合、特に初心者には完成品を買うようにお薦めしておく」と結んでいる。
当社のED61は勿論キット組立てであるが、組立てにそれ程苦労した記憶がない。あるいは40年という歳月が苦労の記憶を消却してくれているのかも知れない。それよりもTMS に不合格点をもらったED61の問題を数ヵ月後発売のED71にフィードバックして改善し合格点にもっていった当時の鉄道模型社の機動力を評価しておこう。

(2012.12.06 Movie 、Still×14 追加)
このED61を購入し、組立ててから丁度半世紀、満50年経過してからの走行Movie登場である。ヘッドライト・テールライト切替えセレン整流器も正常に作動、快調な走行模様はMovieで確認して頂けると思う。
ED61Modelの塗色栗色なので、Prototypeが最初に投入された中央東線(新宿〜甲府)での1960年頃の姿をイメージしている。又このED61は一般用電機として製造されたので貨車以外に客車も牽引させることにした。
牽引される客車の構成は天賞堂ナハ10系4輌(オユ12+ナハ10x2+ナハフ10)、貨車ブラスFCx6・・貨物列車(1)・・とKATO黒色FCx15・・貨物列車(2)・・が登場する。なおKATO黒色貨車15輌EF18D51(シュパーブライン)のMovieにすでに登場済である。それでは
MovieとStillx14をどうぞ。



「第16回」 19. EF80 電気機関車







(実車)
国鉄では交流電化の有利性を認めながらも既存の直流化区間との接続の問題を解決しなければならなかった。
常磐線はすでに通勤電車区間である上野〜取手間は直流で電化されていたが、今後の電化を実施するに当たっては、東北線との関連から、交流電化が望ましいと考えられていた。
そこで交直両用の電気機関車を開発し、北陸線や東北線のように機関車の取り替えを行うことなく、交直両区間を直通する試みとして1959年 ED46(後のED92)を製作、その試験結果をもとに、そしてその後の新技術も折り込んで製作された本格的交直両用電気機関車それがEF80 である。
1台車1電動機方式、シリコン整流器の採用で軽量化が図られ軸重制限をクリヤー、常磐線の客貨車の牽引に活躍している。
赤く美しいEF80 が長大貨物を引いてはしる・・・かって世界最初の"MIKADO"9700 形が常磐炭輸送に働いた常磐線の今日の姿がここにある。

(模型)
1962年(昭和37)鉄道模型社発売
ED61、ED71に続く鉄道模型社の国鉄電機シリーズの第3弾である。実車が登場すると間髪を入れず、次々そのモデルを発売する鉄道模型社のエネルギーには全く脱帽ものである。
しかも今回はEF80 という有名機種。全長211o、BBBの堂々たるスタイルに、2個のモーターを装着、しっかりウエートを積んで、ED クラス電機にはない重量感をもっている。
ヘッドライト、テールライト切替セレンも正常に作動(但し、ON/OFFスイッチは取り付けていない)重厚な走りと引き替えにという訳でもなかろうが、単機走行で1.3Aはやや電気喰い虫の傾向がある。ならし運転で低下することを期待する事にしておこう。

2010.09.07 Movie 、Still×4 追加
先日、EF60-500牽引、Blue Train「さくら」MOVIE撮影のために、久しぶりにカツミ20系PCを収納BOXから取り出した。折角取り出した20系PCを再収納する前にもう1本位20系Blue TrainのMOVIEを撮りたいが、さて牽引機関車を何にするか・・・・・。
考えてみると、EF80は戦後タイプF級ELの中で、一番早く発売された模型なのに、後輩F級EL模型が次々MOVIEに出場する中で、その機会に恵まれなかった不運の機関車である。
こう考えて、EF80に、20系PCを牽引させるとなると、イメージするBlue Trainは1976年24系化される前の常磐線を走行する「ゆうづる」となる。

早速EF80に「ゆうづる」のヘッドマークを取り付け、20系PCを牽引するBlue Train「ゆうづる」のMOVIEを作成した。なお20系PCは「さくら」の時と同じものであるが、電源車は「さくら」用のパンタ付カニ22から、カニ21に交換している。
半世紀近く(正確には48年)前に組立てたEF80が、20系PCを牽引してフルスピードで快走するのを見るのは誠に痛快である。
それではMovieとSTill×4を御覧頂こう。

Still×4










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