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「第25回」 29. C61 蒸気機関車







(実車)
日本最初の"Hudson" (2C2) としてC62と共に製作されたもので、いかにも戦後らしい生い立ちの機関車である。
C62D52のボイラーを使って生まれたように、C61D51のボイラーにC57の下回りを組合わせて(但し、重量配分の関係で従台車は2軸の2C2となる)作られた。
このようにD型機のボイラーを利用してC型機に改造したのをD→C改造と呼んだが、これは戦時中の貨物輸送第一主義から一転して旅客本位に変わったための転換であるが、こうしたD→C化が2形式にわたって、しかも第一線用ロコにおいて実現した訳である。
こうした生い立ちのHudson 2兄弟C62が主として東海道本線に就役してC59以上の能力を発揮したのに対しC61は東北・鹿児島本線に投入されてC57を上回る性能で走った。

(模型
鉄道模型社の C61は発売が1950年(昭和25)であるから、日本のHO ゲージ鉄道模型蒸気機関車の始祖ともいわれている。
当社在籍のHOゲージ車輌で、発売時期の尤も古いもの(模型としての古典機)としてED16 電気機関車が「第6回」に登場しているが、このED16 が同じ鉄道模型社から発売されたのが1951年(昭和26)であるから、C61の方が更に1年早く発売されている。
当社の C61は実は鉄道模型社が1951年に発売した初期型ではなく1964年に発売した改良型製品で、この C61を塗装スミKIT の形で購入したのも1965年頃である。
TMS 192号(1964年6月)の鉄模広告を見ても「新製品国鉄 C61発売!」とあるように、当社でも「始祖 C61」とは別物の1964年新発売のC61という認識からようやく今回登場することになった次第である。
このように「始祖 C61」になれなかったC61 も当社においては別の意味での始祖である。それは「当社における塗装スミSL の始祖」ということ。
これまで本稿に登場した日本型 SLは、1号機関車(150型)から始まりC53まで10輌すべて未塗装KIT組立てSLであり、今回はじめて塗装スミ KITのC61が登場したのである。ELの方はこれより少し前から、すでに塗装スミ KITが出ていたが、SLはこの頃以後除々に塗装スミKITが顔を出しはじめたように記憶している。1958年(昭和33)東北本線初の特急「はつかり」が登場した。
その仙台〜青森間牽引機 C61を想定して40年前に取り付けたヘッドマークは今も健在である。


’10.5.31 記事及びMOVIE、Still追加

先日久しぶりにこのC61の注油と点検を行った所、走行は快調、45年前の「はつかり」のヘッドマークも依然健在である。
そこで中村精密製プラキット組立てスハ44系客車を使って、東北本線初の特急列車「はつかり」走行Movieを作成することにした。
本稿「第33回」37客車列車の登場を御覧頂きたい。そこでは旧型客車をその近代化過程に従って4段階のステップに分けているが、スハ44系(正式にはと呼べないので以後集団と呼ぶ)は、第3段階オハ35系に属する。
しかしスハ44集団については、この表に記載されていないし本稿初登場なので慣例に従ってスハ44集団についての(実車)(模型)についての記述から始めることにする。

(実車)
「第33回」
客車列車の登場の中の第3ステップオハ35系(37・2)は既に記述にあるように昭和14年製造開始、戦後まで増備が続いた1200輌を超える大世帯であるが、その中に戦後新設計で工作簡易化のため切妻屋根にしベアリング工業育成のためボールベアリングを採用、ウイングバネ付き鋳鋼台車TR47系をはくスハ43グループがある。
スハ43グループオハ35系の中で居住空間乗り心地の改善を行った急行列車用客車グループともいえるが、このスハ43グループの中に更に戦後復活する特急列車用客車を目指した集団がある。
具体的にはスハ44スハフ43スハニ353等座席車「特別2等車」(登場当時の呼称)スロ53食堂車マシ35などで構成される「エリート集団」である。
座席車特色3等車固定方向の2人掛けシート2等車には「リクライニングシート」が装備された。乗降デッキは両車とも片側のみである。
これらエリート車輌は最盛期の「つばめ」「はと」(青大将時代)に先ず採用された。(但し、スハフ43の代りに1等展望車がつく)
「つばめ」「はと」が電車特急に変わると「かもめ」に移り「はつかり」有終の美を飾ることになる。
別の表現をすれば、「スハ44集団」C61C62の牽引する特急列車に最も良く似合う車輌たちで、C61C62引退すると彼等も又晴れ舞台から去って行ったのである。

(模型)
1976年(昭和51)中村精密発売プラスチックKIT組立
当時中村精密高品質ローコストの客車KITとして発売したシリーズの一つ、スハ44系である。
購入したのは7輌スハニ35×1スハ44×1マシ35×1スロ53×3スハフ43×1)塗色はつや消しの青である。
TMS NO337('76/7)でも「すっきり美しい仕上がりで、安価で良好なキットとしてフアンにお奨めしたい製品」と評価している。
床下器機類ダイカスト製でユニット化されネジ1本で固定出来る簡便さも良いが、そのダイカストの重さが客車として走行安定性確保のため最適である。(ブラス製客車は不必要に重過ぎるし、ペーパープラスチック製客車は軽過ぎる場合が多い)
車種構成からみて「つばめ」「はと」編成を想定していたようだが塗色の変更が煩わしく今日まで出番がなかった。
そして今回の「はつかり」編成としての登場であるが勿論問題点が無い訳ではない。
その第1点車種構成で、資料によれば「はつかり」の2等車は当初からナロ10スロ53は間違い。しかし「走行派」の小生は目をつぶる事とする。
第2点塗色、Bodyの青15号は問題ないがクリーム色の2本の帯のないのは許容範囲をこえているので何時の日か帯の入った「はつかり」を再登場させたいと思っているが・・・
そのかわりと言う訳ではないが最後尾のスハフ43「はつかり」のバックサインを作成して取り付ける事にした。
それでは組立後35年近く経過した「スハ44系はつかり編成」MovieSTillを御覧頂きたい。





















再追記 (号外)

C6120の動態復元関連記事を連載しているとれいん誌NO424(’10/4)に発見!”はつかり”牽引の晴れ姿という見出しと共にその”晴れ姿”が大きく掲載されそこには次のように書かれている。(赤字部分は原文のまま)
仙台在住の国分和夫さんから”はつかりのヘッドマークを揚げた写真を撮影しておりました”との連絡が、急遽予定を変更して、貴重なそのカットを大きく掲載することにした。現在の各パーツ類は、近いうちにまとめて御覧いただくことにしよう。
それに写真提供者の国分さんの撮影時の状況も細かく掲載されている。
原版写真は2ページに渡っておりC61の左後方に小さく仙台から上野まで牽引を担当するC62が写っているが綴代から左の部分はスキャニング出来なかった。
それではPrototype C6120と我が家の鉄道模型社Model C6127の対比写真を掲載して「第25回」の記述を全て終了する。

Prototype(写真提供・国分和夫 掲載・とれいん)


Model(1965年鉄道模型社KIT組立)



第26回

「第26回」 30. EF70 電気機関車





(実車)
交流電化発祥の経緯はすでに述べた。(「第11回」参照)交流電化された北陸線には敦賀--今庄間とわだかまる木の芽峠の難関があり、そのルート改善策として、複線13.8q日本最長の北陸トンネルが開通した。12パミール勾配とトンネル内の湿潤な線路条件を考えるとD型機では無理と判断され、当初は、トンネル区間専用機としてEF70が作られたが、初の量産シリコン整流器式交流機の6動軸であるため余裕があり1000t→1200t牽引化や通し運転の利点から増備が続けられ50輌をこえる大所帯となり、北陸本線の主力機として活躍した。
EF7022以降のものはモデルチエンジが行われ車体はEF60後期型やEF65と同じデザインとなった。中でも22〜28号は高速列車牽引用に改造されEF701001〜1007に改番、昭和33年大阪--青森間20系固定編成客車による特急運転の任についた。

(模型)
1964年(昭和39)カツミ発売EF70塗装スミKIT組立。
ED70の発売以後カツミからはC51、D51、C53の3蒸機が本稿でもすでに登場しているが、電機としては久々のEF70の登場である。
組立てていて感心した事がある。それはライトの給電方式の改善である。
従来の電機は何れのメーカーのものも、床板取付けビスを取外しても、車体と床板(下回り)は給電ワイヤーでつながっていて完全には分離出来ないのでメンテナンスの時にも不便であった。
EF70の場合、車体内にライト用セレン整流器と接触片が固定されており、下回りとは完全に分離されているが、床板をセットすると自動的に接触片によって給電回路が出来上がる方式となっている。
また、BBB軸配置に対する処理でも、DF50やEF81など他社製品が中間台車にウエートを付けるだけなのに対し、EF70では一歩進んでスプリングを併用している。モデルをもちあげた時など、中間台車が安定しており非常に感じが良い。但し当社の線路上では、このスプリング併用方式が中間台車の脱線防止に特に効果があるとはいえないようだ。
550Rカーブを勿論問題なく通過、300gのウエートを積んで牽引力も十分。音も低く走行性能はAクラスである。

幕の内b


’09.12.1 MOVIE 追加
EF70の牽引するナハ10系軽量客車8輌(天賞堂製)、この編成は43年以上前に初代レイアウトエンドレスをよく快走していた。
そして、その時の編成写真は別項に既に掲載されている
([1] EF70、C57、DF50、と機関車バラエティに富む「幕の内」編成急行「日本海」参照)

今回はこれと全く同じ編成での再現走行を行った。前回と今回の走行で異なったのは@走行が初代レイアウトから2代目レイアウトに変わる。Aヘッドマークなしから「日本海」ヘッドマーク付きとなる。以上の2点以外は43年という空白期間を全く感じさせない快調な走行であった。その時のMovieとStill×5を掲載する。











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