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「第48回」 56. ED75-300 電気機関車





(実車)
1957(昭和32)年、北陸本線から始った交流電化は、新路線が開業するたびに新型式が登場するなど、型式がやや乱立気味であった。
そこで、それまでに蓄積した技術をまとめた標準スタイルの交流電気機関車の登場が待望されていた。
その要望にこたえたのがこのED75型であり、その車体製作作法直流機EF606465などにも応用されている。
1976(昭和51)年までに302輌が新製され、その内訳は一般用0番代160輌九州用60ヘルツ300番代11輌高速貨車牽引用1000番代39輌耐寒装備強化700番代91輌北海道用試作車500番代1輌である。
当社モデル300番台302号は勿論九州地区配備車輌であるが、60ヘルツ用に各種機器が変更されている以外0番代と同一である。
真っ赤な塗色の小さなボディで、ハイパワーなことから「あけぼの」「ゆうづる」「みずほ」等のBlue Train牽引も担当し、「赤べこ」ニックネームでしたしまれた。
その全盛期には北は北海道から南は九州まで全国で大活躍、車輌数の多さでも、直流機EF65と双璧をなす、まさに「電気機関車史」に残る名機である。

(模型)
1974(昭和49)年 宮沢模型店発売 塗装済み KIT組立
TMS NO.311(174/5) 製品の紹介欄には1個 Motor片側台車駆動で、しかも塗装済み完成品のみの発売とあるが、当社のED75は塗装済みKIT組立て、仕様も2Motor 2Inside Gear 全軸駆動強力機である。
詳細は不明であるが、この後多分2Motor方式KITが宮沢から発売され、それを当社で購入したようだ。
2MotorWeight充分全軸駆動機らしい重厚な走りにもかかわらず、低voltでスタートし460R通過OKHeadlight2ケ点灯で走行電流0.8Ampはまづまづの成績である。
「走行派」の小生にとって宮沢良心的価格走行重視の姿勢は有難かった。丁度この頃天賞堂からも同じED75の完成品がかなり高価格で発売されていたが、選択に迷う事はなかった。

('06.1.17追記)
その後「みずほ」のヘッドマークを取り付けたので、鹿児島本線を北上するブルートレイン「みずほ」をイメージして、カツミ製20系PC 8輌を牽引させMovieに収めることにした。
40年前カツミ20系PC×830年前宮沢ED75の組合わせは全ライト点灯し、年月の経過を忘れたように快走する。


又当社には「ゆうづる」のマークを付けたTOMIX ED75 100が在籍しているので30年前先輩後輩の並んだStill写真を掲載する。









57ef53

「第49回」 57. EF53 電気機関車










(実車)
東海道本線電化の際、多数輸入された電機の使用実績をもとに、国鉄と国内メーカーの共同開発により完成した省型電気機関車第1号EF52である。
EF53はその改良型として1932年(昭和7)19輌が製造された。性能面ではギア比を3.45から2.63と定格速度を上げ、急行列車牽引にも余裕をもたせ、外観的にもいわゆる省型電機スタイルを確立した。
1350KWという出力は、現在のEF65のほぼ半分にすぎないが、速度牽引力戦前の輸送需要に充分見合うものであり、その安定した性能は高く評価され、2輌がお召機に指定され、EF58出現までの長い間、お召用としても活躍した。
EF53こそは、正しく省型電気機関車がEF52を経て打立てた金字塔ともいえるもので、戦前派の電気機関車はすべてこのEF53に基礎をおいている。
当然のことながら、EF53戦前の東海道本線の花形として一時代を築いた点でも、蒸機のC53と好一対をなす優秀機関車であった。
戦前の名機EF53も戦後の新鋭電機の出現により世代交代となり、晩年は山陽本線の難所、20パーミル勾配の続く瀬野−八本松間専用補機EF59に改造された。
現在でもEF5910(旧EF531)JR西日本にイベント用として在籍し、碓氷峠鉄道文化村EF532(EF5911から復元)とEF591(旧EF538)の2輌が静態保存されている。

(模型)
1974(昭和49)年 天賞堂発売 塗装済み完成品
さきのEF57「第44回」49.EF57電気機関車参照)、EF15「第39回」44.EF15電気機関車参照)に続く「ぶどう色」旧型電機第3弾である。外観・塗装に関しては、さすが天賞堂、これまた発売後30年以上経過しているが、Aクラス評価である。
駆動方式は同じ1Motor 6軸ドライブでも、EF15EF57棒型モーター1Gear Box片軸ドライブから、今回のEF53両軸モーター2Gear Boxによる前後対称ドライブに改善され、EF15、EF57に見られなかった軽快な走行を楽しめるようになった。
駆動力を前後のGear Box 1/2づつ均等に分担することで、いかにもムリが無くなった感じである。
又このEF53は曲線通過性を向上させるため、主台枠前部が首を振る構造になっている。多分この効果が出ているためか、同じ560REF57EF53も通過するが、EF57の場合「560Rが限界です!」と言わんばかりの走行であるが、EF53にはこの「限界感」は全く感じられない
今回の記事掲載を機に、久しぶりにDouble Roofスハ32系PC×7(マツモト模型製)を牽引走行させたので、その折のMovieStillをお目にかけることにする。
イメージしているのは、昭和8年頃(丹那トンネル開通前)東京発国府津(EF53はここでC53にバトンタッチ)に向かう12等特別急行第1列車(別称「欧亜連絡特急」)である。(「第33回」37.客車列車の登場参照


2枚のスチール写真






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