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「第6回」9. ED16 電気機関車

前回まで取り上げた機関車は、日本型としては1号機関車(150型)、弁慶号(7100型)、ED11電機、マレー式蒸機(9750型)、"MIKADO"蒸機(9700型)と日本の鉄道創業期に活躍した車輌たちである。これらはすべて輸入機関車であった。(鉄道後進国である我が国としては当然の事ではあるが…)この後これら輸入機の使用経験を通じて技術の消化、吸収を行い、独自の国産機関車の活躍する第2幕が始まるのである。今回から観点を変えて、
HO(日本)鉄道模型の黎明期にスポットを当てて実車(Prototype)の出現時期の新旧に関係なく、模型(Model)として発売された時期の古いもの(模型としての古典機)を優先して取り上げる事にする。





(実車)

東海道線に続き1931年上越、中央の両線が電化され、これに充当する為に中型国産機として製造されたものである。各部構造、機器は次に造られたEF53 と共に戦前の国鉄標準型として設計された。しかし以後1958年ED60、61形が登場するまで機関車容量の大型化のためEF形がもっぱら造られた。
EF53 をコンパクトにしたこのED16 は好ましい中型電気機関車としてスタイルマニアからも愛されている。
当初水上区(上越線)、甲府区(中央線)に配置、客貨両用に使用されたが、戦後列車単位の増大と共に阪和、青梅、横須賀線に転じ、その後全数が立川区に集められ青梅、南部、五日市の各線で、貨物用に使用された(1970年現在)。 日立、三菱、芝浦、川崎で1931年から18輌製造された。

(模型)
1951年鉄道模型社発売(初代製品)
1951年(昭和26年)発売というとHOゲージ鉄道模型の歴史ではレッキとした古典機である。記録によるとカワイモデルのED14 初代製品発売が1950年であるからこのあたりが、メジャーな製品としての古典機1.2番バッターというところか。その頃Oゲージを手がけていたカツミがHOゲージ発売に踏切るのは更に8年後(1959)の事である。---「第1回」 2.弁慶号(7100形)参照---
太平洋戦争の始まる少し前から敗戦の直前まで中央線沿線に住み、ED16 とED17 の活躍ぶりを目にしていた小生は、特にデッキ付きで均整のとれたスタイルのED16 が大好きであった。それでHOゲージ鉄道模型第1号として1953年頃購入した。
実際の組立て作業は1960年、Oゲージ、カツミEF58 とC62 に引き続き実施。当社のHOゲージ在籍第1号機となる。
写真に見るように発売から50年以上経過(この間転勤などにより転宅9回)している現在も車体のエッチング独特の美しい色合いは失われていない。
ヘッドライト切り替えセレンも正常に作動(ヘッドライトON/OFF スイッチもBody に内臓させている)走行も快調である。

(2012.03.14. Movie、Stillx9 追加)
Movie作成に当たり、客貨両用機ED16に何を牽引させようかと思案していたが、客車には適切なものが見当たらず、ワキ1系ボギー有蓋貨車3輌を選んだ。ワキ1系のMovie登場は3度目(1度目ED14、2度目D51)であるが今回が機関車とのマッチングがBestであると思っている。
想定している列車はスクリーン画像にあるように「宅扱急行便」である。この列車は1935年に生まれた。「戸口から戸口への輸送」を売りものにした特別小口扱い急行便で、今のコンテナー列車の前身とも言える物である。
ワキ1系(ワキ1、ワムフ1)にオレンジの帯を巻き白く大きく「宅扱」の文字を入れて、旅客用ロコに牽かれて快走する姿は、戦前の貨物列車の中で最も華やかな存在であった。
ワキ1系が他の一般貨車と異なる点は小口貨物を扱うためを備え妻面に引戸を設けて貫通式となっており、ワムフ1ワキ1の一部客車に併結することを想定して蒸気暖房管が貫通して設けられていた。それではワイド画面Movieをどうぞ。

9枚のスチール写真


















「第7回」 10. EF58 電気機関車





(実車)
旅客用旧型電機の代表格ともいえる EF58 は第2次大戦の傷跡も癒えない1946年に復興の原動力となるべく登場。資材不足の中、最初に製造された31輌は実用一点張りの設計によるデッキ付き電機として誕生している。
1952年から製造された35号機以降はSG搭載に伴って、お馴染みの流線形車体で落成し、1〜31号機も順次車体の更新が行われ、旧ボデイのEF58 は10年余りで姿を消し、今日に見る形のものに統一された。170輌以上造られ、幾つかの変形があるが、特にEF58、60、61は御召機である。

(模型)
鉄道模型社の製品であるが、例の「鉄道模型考古学」のリストでも発売年が空欄(不明)となっているほどの古つわものである。
TMS66号に広告が出ているので少なくとも1954年(昭和29)以前に発売の未塗装キットである。
購入は1955年(昭和30)頃、製作は1960年(昭和35)、ED16に引き続き実施。キットはテールライト無しであったが(テールライト有りのキットは1969年発売の最終生産分から)加工して取り付け、写真に見る通りオーバースケールなのが愛嬌である。(苦労して取り付けたので、オーバースケールを初めから意識してやったのか、或いはテールライトがOゲージ用のものしか入手できなかったのか定かでない)このEF58 は組立て完成後、何度目かの転宅の時、輸送時のショックで主台枠のハンダ付けがはづれバラバラに分解してしまった。
以後、大破状態のEF58 は箱に収められ30年近く経過した。
仕事のある現役時代にはなかば復旧をあきらめていたが、定年後修復作業に取り組み、奇跡の復活が実現した。試運転の結果、走行は極めて快調である。但しライトスイッチをONにして驚いた。
正規方向への走行時はヘッドライト、テールライトともに正常に点灯してOK!所が逆方向走行に切り替えると6ケのライト(ヘッド×2、テール×4)すべてが一斉に点灯、その賑やかなこと。多分、搭載しているセレンの整流機能の劣化か何かが原因と思うが話のタネとして、そのままにしておくことにした。

(追加) お召機 EF5861

鉄道模型社 EF58 未塗装キット組立て後、数年してお召機 EF5861 の塗装済みキットが発売され購入した。
お召機塗装されたこと、先、従台車枠が黒色メッキになった事以外、テールライトなしのボデイをはじめ、すべて先に登場した EF58 と同一のものである。以下にその写真を掲載する。








(2013.01.25. Movie、Stillx14 追加)
鉄道模型社古つわものモデルEF5835(未塗装ブラスキット組立て)とEF5861(お召し機塗装済キット組立て)の走行Movie作成することにしたが、本稿では、このうちのEF5861に関するMovie、Stillを掲載する。
Movieは以下の3種である。
ウォーミングアップMovie(徐走編)
EF5835もEF5861も組立て、初走行後50年近く経過しており、この間あまり「ならし運転」も行っていなかったので、いきなり長編成の列車の走行Movie作成を行う前にウオーミングアップの目的で夫々単機対向走行させてMovie撮影も行った。結果は御覧のように快調な走行が実現できたのでそのまま列車走行Movieへの移行が可能であった。
特急「はと」Movie
想定しているのは名古屋電化時代の東海道線特急「はと」である。戦後復活した特急「つばめ」「はと」Movieはその第1陣として浜松電化時代EF57牽引C5941牽引(客車も旧型車輌の寄集め)がすでに登場している。今回の特急「はと」は上記第1陣の特急と比較して見栄えが向上する。牽引機が名機の誉高い流線形EF58(しかもお召し機61号)、客車も最後部の展望車マイテ58を除きすべて戦後復活する特急専用に新製された「スハ44系」俗称されるエリート集団客車で構成されている。具体的な車種構成スハニ35x1スハ44x1スロ53x3マシ35x1マイテ58 計7輌編成である。このエリート客車集団Body色は、名古屋電化時代「つばめ」「はと」の場合は最後尾のマイテ58と同じ「ぶどう色」でなければならないがこの点は目をつぶることにする。尚この特急「はと」編成は既に2013年度元旦初走行(6本列車同時走行)Movieに登場し#2 Endlessを走行しているので、そちらも御覧頂きたい。ここまで来れば次に名古屋EF58からエリート集団客車を引継ぎ東海道本線最後の非電化区間を力走するC62の勇姿を是非Movieに収めたい。
特急「はくつる」Movie
1964年東北本線初のブルートレイン「はくつる」が登場した時、直流区間(上野〜黒磯)の牽引機には、当時すでに東海道・山陽のブルトレ仕業から引退していた東京区のEF58が登板した。ブルトレ塗装の青いEF58に混ざって、ぶどう色のお召し機EF5861の姿も見られたと言う。彼等EF58にとって東海道本線の「つばめ」「はと」牽引第1の晴れ舞台だったとしたら、東北本線初のブルトレ「はくつる」牽引第2の晴れ舞台であった。黒磯EF5861がバトンタッチする交流機は当時はED71である。模型では鉄道模型社製ED71がすでに17.ED71電気機関車に掲載されており、その中でブルトレ「はくつる」のMovieも御覧頂ける。これら「はくつる」Movieに登場する20系PC1965年カツミが発売開始した車輌で、その車種構成が示されている。牽引機EF5861同様20系PCも又発売後50年近く経過する古つわもの達である。



(2013.02.01 Movie、Stillx10 再度追加)

先日Movie、Stillを追加したばかりであるが、更に追加したいMovie、Stillがあるので、再度追加掲載する。今回のmovieは【EF58牽引「はくつる」Movie(続編)】と名付ける。今回想定しているのは全て薄暮・夜間走行である。
ウォーミングアップMovie(徐走編)
走行の主旨前編(前回)記載と同じ。EF5835EF586150年ぶりの走行なので最初は慎重に臨んだが予想外の快調走行に気をよくし、何本か走行Movie撮影。前回未掲載の単機対向走行Movieを3本掲載する。
EF5835牽引「はくつる」薄暮・夜間走行Movie
EF5835本編(模型)項に記載の通り、主台枠がバラバラに分解していまって30年間放置後近年修復作業完了したものである。カツミ20系PCx6を牽引する「はくつる」の走行及びMovie撮影は勿論修復作業完了後初めて実施したものである。走行トラブルもなく無事撮影を終了したが、大きなミスを犯してしまった。EF5835のパンダグラフを上げずに牽引走行させてしまったのである。撮影やり直しも考えたが、設定が薄暮・夜間走行でパンタグラフの不具合点があまり目立たないことと実車では絶対起こりえない、モデルのみで発生するミス事例としての話題性から、そのまま掲載することにする。
EF5861牽引「はくつる」薄暮・夜間走行Movie
Ef5861(お召し機)牽引「はくつる」の昼間走行Movieはすでに(前編)に掲載済である。今回の「はくつる」(続編)Movieでは薄暮走行、夜間走行に限定して撮影を行った。寝台特急本来の魅力がより多く引き出させたと思っている。今回の走行Movie撮影で、EF5861の強力な牽引力を推測させる「力強い走り」にも感心している。2Motor 2Inside Gear 6軸ドライブ、大きな箱形ボディ内に特製ウエートを積んで、重量740g --- その大部分が6軸動輪の粘着牽引力有効に働くことを考えれば当然期待は大きくなる。機関車の牽引力に関しては16.EF18電気機関車に記載があるが、EF18モデル1Motoe 1Inside Gear 3軸ドライブクラス牽引力チャンピオン、これに対し2Motor 2Inside Gear 6軸ドライブクラス牽引力チャンピオンの称号をEF5861に与えることとする。



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