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「第51回」 59.C571(1次型)蒸気機関車








(実車)
C571誕生した時はC5563号にするつもりであったが、ボイラ昇圧が決まることにによって突如として型式変更になったのである。
それだけにC55C57姉妹型式ということができ、外観上の大きな違いは、スポーク動輪からボックス動輪になった点くらいである。
大正の名機C51の改良はC54C55を経て、ここに決定版を得た感がある。
高性能扱い易い機関車として、1937年(昭和12)から途中空白期間はあるものの1947年(昭和22)まで計201輌が製造されたが、4次型と呼ばれる190号以降の12輌(「第28回」32、C57190 4次型蒸気機関車参照)は戦後の新設計図に基ずく製造で、キャブが密閉式になったほか、デフレクターテンダーの形も異なり、形態的には別型式としても差支えのない車輌だった。
北は北海道から南は九州まで、四国を除く全国の幹線亜幹線に広く配備され、その活躍は国鉄蒸気の終焉まで続いた。
その優美なスタイルから「貴婦人」の愛称で親しまれ、JR化後の現在もC57型山口線で1号が、磐越西線で180号が活躍する姿が見られる。

(模型) 
1975年(昭和50)アダチ発売 塗装済みKIT組立て
1年前の1974年のD51(半流なめくじ)購入以来アダチ製品は、このC571が2台目に当る。
このC57組立直後は、前進走行時のウオームギア噛みこみトラブルに悩まされたが、調整の結果、今では走行電流0.5A 560Rを極めて軽快に走行する。
ここまで記述した時、同じアダチD51C57類似点共通点の多い事に気づく。箇条書きにすると以下の通りである。

  1. 何れも当初の発売は塗装済み完成車のみ、1年位経過して塗装済みKITが発売されこれを直ちに購入(初品購入はさけよというが・・・)
  2. 真鍮ダイガストプラスチックを混用し、比較的ローコストを狙った製品
  3. 簡略製法を採用しながら、手のかからぬようにディテールを加え、うまくまとめている。
  4. KIT組立後、そのままスムーズ走行はしない。手直し調整を要す。
  5. 不具合は一部に限定されており、かつ基本構成はしっかりしているので手直し後は両車とも極めて軽快な走行をする。

「軽快な走行」といっても両車を厳密に比較するとC57の方がD51より優れている。その要因は

  1. 動軸3軸と4軸の差か
  2. メーカーの技術力の向上か
  3. 単なるバラツキ(サンプリング誤差)か
  4. あるいはこれらの複合要因か

30年以上前のアダチの製品には苦労させられたが、現在では両車とも「外観・塗装、走行性能ともにAクラス」と評価されており、むしろアダチローコスト指向走行重視の姿勢を当社では高く評価している。
最後にC571単機走行MovieとStillを掲載する。


091210

’10.12.10. MOVIE 追加
本稿(個別車輌紹介)に掲載のDF50(「第17回」参照)、EF70(「第26回」参照)、C57 190(「第28回」参照)、この3台の機関車は、何れも天賞堂製ハナ10系軽量客車8輌を牽引して、初代レイアウト(1966〜1972年)のエンドレスを走行した同期の仲間であった。そしてこの同期生達は、[1] EF70、C57、DF50、と機関車のバラエティに富む「幕の内」編成急行「日本海」にその編成写真が掲載され、またその走行MOVIEも既に登場している。
本編のC57 1を入手した1975年には既に初代レイアウトは解体処分されていたにでこの機関車が初代レイアウトを走行する機会はなかったが、急行「日本海」のMOVIE撮影時、上記3先輩(DF50、EF70、C57 190)に続いてC57 1の牽引走行も行った。C57 190と比較すると、今回のC57 1が極めて駆動騒音の少ない機関車であることが分かる。そのMovieとStill×5を掲載する。

’10.3.25 Stillx5 訂正
’09.12.10. MOVIEと共に掲載したStillx5がC57 1(1次型)でなくC57 190(4次型)のものであった。3ヶ月以上誤りに気づかず掲載してしまった事をお詫びして訂正する。













「第52回」 60.EF56 電気機関車










(実車)
現在のように、「電気」による暖房が一般的になる以前、旅客列車の暖房は、明治以来ずっと蒸気機関車から送り込まれる「蒸気」による暖房が主流であった。
このため、電気機関車牽引の場合、冬季には特別に暖房車を連結していたが、東海道線の旅客輸送需要が増えるにつれ、この不合理性が痛感され、機関車自体に重油焚暖房ボイラーを搭載した新型式EF561937(昭和12)年に登場した。
基本性能はEF53と変らないが、EF56の暖房車連結を不要とする運用効率の良さは、各方面から高く評価され、この考えは改良機EF57を経て、戦後開発のEF58に継承され開花した。
外観上の特色は次の2点である。

  1. ボイラー煙突を避けるため、パンタグラフ車体の中央に寄せたこと。
  2. 世界的な流線形時代生まれのため、丸みのある半流線形の全溶接車体は、独特の優美なシルエットをもつ。

東海道本線の優等列車牽引で活躍したEF56も晩年には、5輌がEF59に改造され、山陽本線「瀬野八越え」補機に充当され、他の7輌は高崎線東北本線で働いた。


(模型)
1975(昭和50)年天賞堂発売(完成品のみ)

「ぶどう色」旧型電機EF55、56、57個性派3兄弟に、小生が憧れを抱くようになったのは、戦前東京駅周辺で、その姿をよく見かけたのがその発端である。
その中でも、パンタを中央に寄せた優美な半流線形スタイルEF56と出会った時の興奮の記憶は今も鮮明である。
所でEF55、56、57の旧型電機個性派3兄弟のベースとなった名機EF53を加えた4台を、当社では「戦前派 F級電機の4天皇」と呼んでいる。
EF53、57は既に本稿に登場済み、今回のEF56を加えて4天皇のうち3者が揃ったことになる。
何れも天賞堂製塗装済み完成品なので、最後の流線形EF55もできれば天賞堂製で揃えたいのだが−−−。
天賞堂モデルはEF56 1次型の丸みのある印象をうまく捉えており、塗装・外観は申し分なくAクラス評価である。
駆動方式両軸モーター全軸ドライブ、主台枠が首を振る構造など、すべてEF53と同じである。
当然のことながら、走行電流0.9A、560R 通過OKでこれもEF53と同性能、但し天賞堂モデル特有の唸り音は何故かEF53より若干大きい。
今回の記事掲載のため、オハ35系PC×7(小高模型プレスボード車体キット組立)を牽引走行させたので、その折のMovieをお目にかける。
イメージしている列車は、昭和15年頃各等特急「燕」である。(第33回」37.客車列車の登場、37.3第3ステップ オハ35系7輌編成[2] EF563牽引の各等特急「燕」参照)




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