TOPへ 保有車輌紹介 第1の部屋 23ページ 25ページ

45・2 D52蒸気機関車





(実車)
第2次大戦の末期に量産された、戦時設計大型貨物用蒸気機関車
D51の下回りに、更に大型のボイラーを載せた強力機で、国鉄史上最強、最大のミカド(軸配置1D1)となった。
285輌製造されたが、戦争中の為資材の節約工作の簡素化が図られ、戦時輸送に数年間でも耐えられれば良いと言った粗製品でトラブルも多発した。
1951年装備の大改造が施され、すっかり面目を一新し、極めて安定した走りを示す機関車となった。
東海道、山陽などで貨物用、勾配用に活躍したが、軸重の重い甲線専用機の為、使用路線が限られ、日本最強のミカドも電化の前に屈した。

(模型)
1966年(昭和40)カツミ模型店発売 シュパーブライン塗装済みKIT
各パーツはカツミで発売時ビニール袋に入れられた当時のまま未開封。「D52塗キット モーター付」と珍しい書込みがあるが、これは多分購入した「須磨模型店」で記入されたものだろう。
組立も走行もさせていないので、特記事項はない。代わりにTMS NO.216(1966/6)のD52、D62紹介欄のまとめの部分を紹介しておく。
「これらは、国鉄大型蒸機の高級品とされており、かなりのディテールと仕上がりを見せている。
但しキットの組立は誰にでも出来るという訳にはいかず、一通りの経験を要する。初心者や、それに類する人達には、完成品の方をお薦めしたい。」




45・3 EF65-1000 電気機関車





(実車)
EF65は東海道、山陽本線のスピードアップロングランを目的として1965年(昭和40)製造を開始、総数300輌以上となる国鉄電気機関車中の最大勢力である。
先に登場した高性能直流電機EF60を基本にし、出力の余裕高速性能の向上に振り向けると共に、各種器機類の近代化が計られた。

[EF65-0]
当初のグループは一般貨物用で、外観もEF60の最終製造車とよく似ている。但し外部塗装は落成時からブルーの新塗色であった。(EF60は落成時はぶどう色)

[EF65-500]
高速列車牽引用の特殊仕様車で、20系ブルートレイン牽引用装備を持つP型と、高速貨車用F型の2群がある。
P型EF60-500からブルートレイン牽引任務を引継ぎ,、約10年華やかに活躍したが、やがてEF65-1000にその任務を引渡すこととなる。

[EF65-1000]
高速列車牽引用としての諸設備のほか、重連総括制御装置を備えて、外観も前面に貫通扉を設けて大きく変化した。
当初は上越線での使用を考え、耐寒耐雪装備を取入れた万能型であるが、その後、耐寒装備を省略して、東海道、山陽本線に進出、ブルートレイン牽引役も500番代から受継いだ。
尤もこの晴れ舞台もそう長くは続かなかった。約10年後に今度は更に強力なEF66にその任務を引継ぐことになる。 (「第38回」43 EF66電気機関車参照)なお、1056号以降後期型は、下枠交差タイプPS22パンタグラフを装備している。

(模型)
1970年(昭和45)カツミ模型店発売 塗装済みKIT
これも又発売から35年間未開封の、ある意味では珍しい未組立モデルである。
動力機構2Moter 2Inside Gearカツミ伝統の方式である。カツミが新しく開発して1M両軸ドライブを発売したのは、この時より6年後の1976年のことである。カツミ20系PC牽引用には、同じカツミのEF60-500 (「第27回」EF60 500番代 電気機関車参照)と1975年発売のEF65-500 (70年代発売車種で掲載予定)の2台が健在である。又EF65-1000に関しては、KATO製の前期型、後期型の2台が、同じKATOの20系PCを牽引走行しているので、このカツミEF65-1000の出番はなく、「未開封のままの冬眠」が続きそうである。
例によってTMS NO.271(1971/1)の製品紹介欄の一部を掲載して、この項を終了する。
「キットは塗装済み車体のほかは、全パーツがバラバラで、幾つかの袋に分けて入っている。電機とはいえ、かなり組でのあるキットで、万一どこかにネジの切ってなかった場合はタップを立てる位の気持ちで組んでいきたい。」



第2部 ’70年代 発売車種

「第41回」 46.C54 蒸気機関車





(実車)
C54はついに保存機関車にはならなかったが、昭和初期の代表機関車である。
C53東海道、山陽の幹線に君臨したのに対し、主として東北線で、急行旅客用として活躍した。
しかし不景気の時期に作られたので、仲間は17輌しかなく、後続のC55C57にすっかり押さえられ、影の薄い形式となってしまい戦後は福知山に集中して余生を終わった。外観的には、フロントデッキ上の大きな給水温め器と近寄った2個のドームが特徴となっているが、除煙板を始から付けたのも、本機が最初である。
なお寄り添ったスチームドームサンドドームは間もなくカバーで一体になってしまうC55、D51の出現予告しているかのようでる。

(模型)
1971年宮沢模型発売 塗装済みKIT組立  D50、D60に続く宮沢製品の登場である。
このC54も「C54と言えば宮沢」と言われるほど宮沢唯一の製品であった時代が20年近く続いた。
例によって走行本位の車輌で、ディテールは程々であるが、動軸をコイルバネ入り可動にし、価格を安く押さえた発売を喜んだ記憶がある。
D50のような「騒音問題」 (「第36回」 41・1 D50 蒸気機関車参照) もなく、Slow走行もOKだし0.9Ampで仮設エンドレスを快走する。
但しピストン尻棒装着のままでは560R通過は難しい
唯一の問題点はモーター軸ベアリング用Oilだめフエルトが2ヶとも脱落してしまっていること。
注油周期に気をつけながら、C51、C53、C55の何れにも属されないユニークなC54の味を楽しむことにしている。鉄道模型趣味をはじめた当初から、これだけは出来れば実現したいという明瞭な願望をもっていた。それは「国鉄の旅客用蒸気機関車をHOゲージでC51からC62まで輸入機C52を除いてすべて揃える」というものである。(「第9回」12. C51蒸気機関車参照)
今回この願望をめでたく達成したことになる。思えば、1955年(昭和30)の鉄道模型社C62から1971年(昭和46)の宮沢模型C54まで11車種16年間の長い道のりであった。
なお11車種のメーカー別内訳は次の通りである。カツミ4、カワイ3、鉄模2、宮沢2、このことからも天賞堂の日本型進出がいかに遅れていたかがわかる。

(’12.02.23. Movie、Stillx7 追加)
この宮沢製C54キットは本文にもある通りC51〜C62の旅客用蒸気機関車の中で最後に購入したものである。それでも組立て以来既に40年以上が経過している。
宮沢のモデルはD50が先日掲載した「C53牽引 特急富士」の箱根越え後部補機としてMovieに登場したので、それに続くC54の出場である。
D50のときは後部補機としての脇役としての登場であるが、今回のC54「優等列車」の牽引機関車としての「晴れ姿」での登板である。イメージしている列車は1935年(S10)頃東北本線、「2、3等 寝台車を中心とした夜間急行」である。
客車37・2[第2ステップ]に掲載された狭窓シングルルーフ スハ 32系リストの中から、イメージしている列車にふさわしい6輌マロネ、スハネ、オロ、スハフ各1、スハx2)をピックアップしている。
「特急」が全国各地に大量進出し、「急行」の存在が「風前の灯」となっている現在からは想像も出来ない事ではあるが、当時の「急行」という名称には現在の「特急」以上の重みがあり、「最優等列車」と同義語といっても過言ではない。
今回掲載Movieの☆B・連続走行は久し振りに円形遊園地を撤去し、丸穴から顔を出して撮影を行ったものである。又使用カメラが新旧交代期にあるため、スクリーンもワイドタイプ標準タイプの混在する変則的なものになってしまった。
それでは40年ぶりのC54の走りMovieStillで御覧頂こう。


 ☆A・ホーム発着(右回り)









 ☆B・連続走行(左回り)










「第42回」 47. ED15電気機関車







 KaDee 互換カプラー装着側より

(実車)
電気機関車の国産化は、日立製作所が独力でED15を製作し、国鉄での試用を申し入れたのに始る。1916年(大正15)のことである。同系機は私鉄にも納入され、日立タイプという独自のグループを形成した。
東海道線第1次電化のため、各国から輸入された多彩な電機群の仲間に加わりいい成績を示した古強者である。
外観的には、パンダグラフが台車中心に取付けられているのでオーバーハングが長く見える。このパンタグラフは小形で、高く上がると押上力が直線的に減る性質があったので、中央線に移るさいにPS10に取替えられた。
3輌のうちの1号機はメーカーである日立製作所に保管されている。武骨ではあるが、中々いい顔をしており、国産本線用電機第1号機としての栄誉を称えるのにふさわしい機関車である。

(模型)
1971年(昭和46)つぼみ堂模型店発売 塗装済み KIT組立
ED11に続く、つぼみ堂製BB電機である。デッキ付だが短いボディのED11とそれとは対照的にデッキのない長いボディのED15はコレクションの上でも変化を与えてくれている。
このED15、その後現在まで30年間つぼみ堂以外のメーカーが発売していない珍しい車種である。(つぼみ堂のED15も勿論絶版)
簡素な動力伝達機構のせもあり、僅か0.3Amp560Rエンドレスを軽快に走行する。(Head LightはDumy)
弱点は台車と床板のクリヤランスが狭く、ショートし易いこと。勿論正常に設置されたレール上では問題ないので、当面対策は行わず、レールの凸凹、歪み検出機関車としての機能をもたせることにする。
ベーカータイプカプラーを装着したブラス製貨車は数が少なく、牽き手は多いので、近年購入したKATOTOMIX製プラ貨車も牽引出来るように、片方のカプラーをKaDee互換タイプに変更している。
小生が戦時中中央線吉祥寺付近で毎日のように出会っていたのはED17であったが、残念ながら当社に在籍しない。そこで同じデッキのない長い箱スタイルのED15に軽量貨車を牽引させて中央線で働いた晩年の姿を再現して楽しんでいる。

10.10.31 Movie 、Still追加

ED15の本文記事掲載から3〜4年が経過した。あの当時のレイアウトには上段はなく下段のGゲージEndless Rail2本の内側に仮設したHOゲージEndless Rail2本のみの貧弱なものであった。
しかも当社にはベーカーカプラー装着の塗装済み貨車が少数しか在籍しないので、KATOやTOMIXの貨車を牽引出来るよう、ED15の片端面のカプラーをベーカーからKadee互換タイプに交換しておきながら、牽引走行も行わず単機走行テストのみで終わってしまっていた。
そこで今回は先ずA Kadee互換タイプカプラーを使用してKATO製貨車15輌(トラ45000X6、ワム90000X8、ヨ5000X1)を牽引走行させ、次にBベーカータイプカプラーを使って貨車6輌(全数動員してもブラス生地、塗装済み貨車は当社には6輌しかない)を牽引させMovieを作成する事にした。
実は今回の走行にはMovie作成以外にもう一つ狙いがあった。それはED15のレール異常検出機能(本文参照)を利用しての、レイアウト上段正規設置レールのチェックである。結果は全く異常なし
Movieを見ていると、少年時代国民学校へ通学の途中、吉祥寺の踏切りでよく出会った箱形ボデーのED17が思い出されて懐かしい。(残念ながらED15に出会った記憶はない)それではMovieStillX10を御覧頂こう。

 A Kadee互換カプラー貨車15輌牽引













 B ベーカーカプラー貨車6輌牽引












TOPへ 保有車輌紹介 第1の部屋 23ページ 25ページ